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第2回東京都税制調査会議事録

平成12年10月6日 16:00~18:15
都庁第1本庁舎33階特別会議室N6

神野会長
  それでは、ご出席のご予定でまだお見えになっていない委員の方もいらっしゃいますけれども、予定の時間を過ぎておりますし、またご都合で次のご予定のある方も多いようでございますから、ただいまから第2回目の東京都税制調査会を開催させていただきたいというふうに思います。
  本日は皆様、大変お忙しい中をお集まりいただきまして、ありがとうございました。始めに特別委員の交代がございまして、それに伴いまして新しく委員になられました方々をご紹介させていただきたいと思います。
  始めに、東京都議会議員でいらっしゃいます清原特別委員をご紹介させていただきます。
清原特別委員
  清原でございます。よろしくお願いいたします。
神野会長
  同じく都議会議員でいらっしゃいます矢部特別委員をご紹介させていただきます。
矢部特別委員
  矢部でございます。よろしくお願いします。
神野会長
  それでは、議事のほうに入らせていただきたいと存じます。この調査会も発足いたしましてから4カ月余りが経過いたしました。この間、皆様ご案内どおり、税源配分小委員会、政策税制小委員会、資産課税小委員会、法定外税小委員会と各4つの小委員会で、都合8回にわたる委員会を開催いたしております。そして、それぞれの検討テーマに沿いまして、皆様方からご議論をいただいたところでございます。
  各小委員会におけるこれまでの議論の内容でございますけれども、税源配分小委員会では、現在極めて緊急緊要の課題になっております税源移譲を含めた地方税財政制度の改革の基本的な方向と個人所得課税、法人課税、消費課税のあり方を検討してまいりましたし、政策税制小委員会では環境対策など、東京都の重要な施策を後押しするような税制を検討してまいりました。資産課税小委員会では、固定資産税を始めとする資産課税全体にわたるあるべき姿を検討してまいりましたし、また、法定外税小委員会では、法定外税の現状と可能性について検討を重ねてまいりましたところでございます。
  本日は、11月の本答申に先立ちまして、ここで一旦それぞれの小委員会でご議論いただきましたものをとりまとめて、この税制調査会としてのコンセプトと基本的な方向について、ここで一応中間段階でのとりまとめをしておきたいというふうに考えております。
  そこで中間のまとめの案でございますけれども作成をいたしまして、本日この中間のまとめについて委員の皆様方からご審議をお願いしたいというのが、本日の目的でございます。
  お手元に第2回目の東京都税制調査会の次第がございますけれども、きょうの議題は大きく中間のまとめの概要説明とその審議という2つが大きな議題になるわけでございます。
  ただ、この中間のまとめは、まだ草案の段階でございますので、本日はこの調査会が最初に発足したときにもご了解いただきましたように、調査会の運営要領の第2、第5によりまして、今見ていただきました議事次第のうち、3番目の中間のとりまとめの審議につきましては、議事を非公開にさせていただきたいというように考えております。
  私、会長の立場といたしまして、非公開にしたいというふうに考えておりますけれども、これについてご異議がなければお手元の議事次第の中間とりまとめの審議についてのみ、非公開にさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
(「異議なし」の声)
神野会長
  はい、どうぞ。
古館特別委員
  念のためなんですが、非公開という形になりますが、例えばここで意見だとかいろいろとりまとめで記録だとか、議事録みたいなのがありますよね。そういうものが、例えば情報開示みたいなものがあった場合には、それはどういう取り扱いになるんでしょうか。
事務局(主税局長)
  それはまた別の話でございますので、今会長のほうからお話があったのは、ここでの審議については非公開というだけでございます。
神野会長
  よろしいですか。それでは、ほかに何かご意見がないようでございましたら、一応草案の段階でもございますので、結果につきましては先ほど、今局長からご説明がございましたような取り扱いをさせていただくということにいたしまして、審議そのものについて皆様方からフランクにご意見をいただくという意味でも、非公開にさせていただくということでよろしいですか。
(「よろしいです」の声)

  ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきますが、本日はご都合によりまして、途中で退席なされる委員の方もいらっしゃいますので、あらかじめご了承いただきたいと思います。
  それでは早速でございますけれども、議事次第に沿いまして2番目の中間のまとめの概要説明に入らせていただきます。お手元の「中間のまとめ」(案)というのがございますが、この概要につきまして事務局から説明をしていただきます。よろしくお願いいたします。
事務局(税制部長)
 税制部長の鮎澤でございます。恐れ入りますが座ったまま説明させていただきますので、ご了承願います。
 それでは、お手元のB4版横の東京都税制調査会「中間のまとめ」(案)の概要をごらん願います。中間のまとめは3章構成になっており、第1章では社会経済情勢の変化や地方税財政制度の現状、今後の目指すべき社会の姿などを鳥瞰し、第2章では地方分権をより確実に推進していくために不可欠な地方税財政制度の改革の方向を、第3章では目指すべき社会をつくりあげていくために必要な税財政制度の改革の基本的方向を示しております。
  最初に前書きとして、「はじめに」と東京都税制調査会の役割の2項目を置いております。まず「はじめに」では、この答申は石原知事の「東京発の国家改革・社会改革」の考え方を踏まえ、都民・国民、地方そして大都市圏の立場から石原知事の諮問に基づき提言を行うものであるとしております。
  東京都税制調査会の役割では、調査会の役割として、1つは税財政制問題を都民・国民に率直に提起すること。
  2つはあるべき税財政制度を率直に提案し、地方主権の行財政システムを確立すること。
  3つは税財政改革を地方の立場から明らかにし、都民・国民、地方団体と連携しながら改革を進めていくことを挙げております。
  次に第1章の停滞の10年と構造改革の視点でございます。1の日本経済の低迷と財政破綻では、現在の政治行政システムの問題点を指摘しております。
  (1)の変容を迫られる日本型経済システムでは、日本型経済システムは驚異的な経済成長をもたらしましたが、今日ではグローバル経済化への足かせとなっていること、今までの日本経済システムのメリットと考えられていた長期継続雇用、年功序列、政官財の協調体制や政治主導の公共投資などが、創造性、ベンチャー精神を削ぐとともに、低生産性部門の保護、都市整備の後回し、情報インフラや技術革新への重点投資を妨げていること。そして改革を担うリーダーシップの欠如を指摘しております。
  (2)のGDPの伸びを上回る国・地方の財政膨張では、平成4年、5年ごろからの財政膨張は適正な裏づけを欠くものであること。平成元年度と10年度の決算の比較で、GDPの伸びは22%、国税が9%のマイナスの中、国際残高は1.8倍、地方債は2.4倍へとふえております。財政再建のためには、かつてのような高度経済成長は期待できないため、景気の動向を注視しながら歳出カットや増税等を組み合わせ、長期間にわたって少しずつ改善していくことが必要であるとしております。
  (3)の将来不安がさらに停滞を生む悪循環では、雇用不安や社会保障制度などについての先行きの見えない不安が貯蓄への過度の依存をもたらし、個人消費支出を低迷させ、景気回復への抑制要因となっているため、社会保障について明確な見通しを示し、こうした悪循環を克服するため、将来を見据えたセーフティ・ネットの再構築が必要であるとしております。
  (4)の公共投資による財政バラマキでは、公共事業関係費の大部分は補助金として地方団体に交付されていること。公共事業は当初産業基盤整備中心でありましたが、その後国土の均衡ある発展を図る観点から、地域格差の是正を社会資本整備で解消することが求められるようになったこと。その結果、大都市より地方に手厚い形で行われることとなったことが示されております。
  また、地方団体が起債による公共投資をやみくもに実施していくことは、地方財政の破綻を招くことになると指摘しております。
  (5)の中央依存を強いる国庫補助金と地方交付税では、本来地方税で賄うべき地方財政の4割が国庫補助金、地方交付税等の国からの資金移転によって賄われており、格差是正と分散を目指した公共事業は全国的に小さな安定的な社会をつくる一方、個性的な都市の想像には失敗しております。
  また、全国横並び行政を実施すると補助金や地方交付税が受けられ、地域独自の行政は自らが負担しなければならないというシステムは、国の基準に準拠した横並び行政を行わざるを得なくなると指摘しております。
  国庫補助金は、国の政策実現の手段でありますが、中央政府の統制の手段となっているために地方の中央依存をもたらすこと、地方交付税はナショナル・ミニマムを達成するという本来の機能を超えた政策誘導や景気対策の機能を強めて、地方自治の阻害と国の統制力を強めていると指摘しております。
  (6)の一票の格差がもたらす最適配分の歪みでは、補助事業は優先度の高い事業で選択されるとは限らず、資源の最適配分をゆがめていること、公共事業の1人当たりの行政投資額は、東京都と島根県を比較して32万円と69万円ということで2倍程度の格差があり、1票の格差が重い政治力の強い地域ほど多額であり、大都市地域は軽んぜられていると指摘しております。東京の活力が我が国の繁栄の鍵を握っており、地方偏重の現在の政治経済システムは早急に是正が必要であるとしております。
  次に2ページの2目指すべき社会のあり方では、21世紀における我が国社会の将来性を首都である東京都の役割とあわせて示しております。
  (1)の活力ある経済社会の実現では、官主導の横並び経済活動にかわって、戦略的な規制緩和や民主体の自由な経済活動の保障により、国際競争力の向上、情報インフラの整備、性別、年齢差を超えた働きやすい環境整備を図り、またみずからの意思で参加でき、自己の責任のもとで努力が報われる機会の平等社会の構築を目指すとし、その結果生ずる問題に対してはセーフティ・ネットを張っていく必要があるとしております。
  (2)の安心と豊さが実感できる社会の実現では、安心して豊かな生活を営むための備えと都市基盤整備、年金、医療・介護等のセーフティ・ネットの再構築、高齢社会に対応した生活環境の改善、芸術文化の振興、情報インフラの整備による周辺地域を含めた相互交流の活発化等が必要であると指摘をしております。
  (3)の個性差を生かした地域社会の実現では、生活環境の悪さなどにより大都市のほうが必ずしも地方より豊かとは言えないこと。このために豊かさの意味を再検討し、「均衡」と「格差」に傾きすぎた国づくりの現状を「個性差」の発揮へと大きくかじを切らなければならないと指摘しております。
  (4)の首都東京の役割①の「リーディング・シティとしてアジア・世界を主導」では、アジアの繁栄と発展のために東京はアジアの大都市ネットワークを構築し、アジア経済のゲートウエイとしての役割を果たしていく必要があること。東京がリーディング・シティであり続けるためには、成長可能性の高い産業への戦略的な重点投資が必要であることを指摘しております。
  ②の東京圏メガロポリスの中心として日本を牽引では、東京圏全体で首都機能を担い、東京圏メガロポリスの潜在力を引き出し、日本の発展を牽引していく必要があること。東京圏の活力と国際競争力を強化するためには、空港、港湾、物流などの機能を強化し、各地域との連携を強化する必要があること。東京の一極集中の是正策が東京の機能低下につながるため、我が国の今後の発展のためには東京圏への重点的投資が必要であることを指摘しております。
  次に3の財政構造改革、行政改革、地方分権の一体的改革の推進では、地方主権の行財政制度を構築するためには、財政構造改革、行政改革、地方分権を三位一体で推進していく必要があるとしております。
  (1)の財政改革では、少子高齢化に伴う福祉の充実や、高度情報化への今後の公共投資の重点配分、地方分権を進め、住民の負担と責任において事業を徹底できるシステムの構築。働く世代が減少する中で、勤労意欲を減退させるような特定の階層への荷重な負担や企業の事業活動を損ねるような増税を避ける、水平的な公平の確保の必要性を指摘しております。
  (2)の行政改革①の信頼される多機能で効率的な小さな政府の実現では、「小さな政府」により、規制緩和と民営化による中央・地方の政府の役割の縮小、地方分権の推進による中央政府から地方への権限委譲、多様な社会福祉ニーズに対応できる地方政府の機能充実が期待されるとしております。
  次の3ページ②の国から地方への権限委譲では、住民に身近な行政はできる限り身近な地方自治体でを基本とし、国、都道府県、市町村での権限委譲を進めるとともに、基本的に対等な調整ルールを構築すること。都においても同様に、区市町村との役割分担に留意しつつ権限委譲を図り、都の役割は広域行政に純化していく必要があることを指摘しております。
  (3)の地方分権では、地方分権の目的は地方行政の自主・自立性を高め、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図るため、国と地方の役割分担を明確にし、住民に身近な行政をできる限り地方自治体が処理できるようにすること。財政資金の非効率な投入や住民ニーズに 則した自主・自立的運用を妨げている国からの移転財源である国庫支出金や、地方交付税の税源をできる限り地方に委譲し、地方分権を確立することが必要であることを明らかにしております。
  次に第2章の地方分権の推進のための税財政改革についてご説明申し上げます。
  まず、第1の地方財政の現状でございますが、地方財政収入の半分以上が国からの移転財源や借入金で賄われていること。また国と地方の歳出純計に占める地方の割合が63%であるのに対し、租税総額に占める地方税の割合が41%に過ぎないというように、国が吸い上げた税金を国の定めたシステムによって地方に配分されているという現状を指摘しております。
  次に、2の国庫支出金の抜本的改革についてでございますが、特に国庫補助金については地方団体の予算編成が補助事業に偏りやすいこと。省庁の権限と予算獲得が優先され、時代に合わなくなった補助事業が継続されていること。補助金が地方に偏っていることなどの問題点が指摘されており、補助金の交付手続等を通じて国による地方のコントロールが行われているという実態がございます。このため、交付根拠である個々の法律を見直しつつ、国庫支出金をできる限り縮減すべきであること。特に国庫補助金は限られたものを除き、すべて廃止・縮減を図るべきであること。その際には一定の削減ルールを設け、計画的に削減を図る必要があることといった、国庫支出金の縮減に関する基本的な見直しの方向を示しております。
  次の3は、地方交付税の抜本的見直しに関するものでございます。現行の地方交付税制度は歯止めのない財政拡大をもたらしていること。財政力調整という域を超えた財政補てんが行われているために、景気対策や政策誘導の性格を強めていること。また、このことが結果として地方自治の強化に反し、国の統制力を強めていること、さらに地方交付税の算定方式が複雑化・精緻化し、算定の決定過程等が公開されていないことなど、多くの問題点を抱えております。
  このため4ページの(4)では、経済対策や公共事業を過大に算定している傾向のある地方交付税制度を抜本的に見直すべきであるとの基本的な方向を示すとともに、次の(6)では97%を超える地方団体が地方交付税の交付を受けていることは異常であり、地方自治の崩壊を示すものであるとの認識から、ある程度の割合の地方団体が自前の税財源で歳出を賄えるよう地方への税源移譲を速やかに進めるべきであることを指摘しております。
  次の4は、地方税源の充実確保に関するものでございます。
  (1)の地方の財政的な自立を図るための税源移譲では危機的な財政状況を理由として、税源移譲を先送りするのではなく、一刻も早く税源移譲を進めるべきとの認識を示しております。
  税源移譲は、地方主権の確立に不可欠であり、かえって地方の地域振興策や地域福祉策の展開の促進となり、結果的に地方経済、ひいては我が国全体の経済の活性化につながるとの考えを明らかにしております。
  (2)の税源移譲は国庫支出金と地方交付税の抜本的見直しにおいて、国から地方への税源移譲の原資は国庫支出金と地方交付税の見直しにより捻出し、地方税として措置することが望ましいこと。また、地方交付税はナショナル・ミニマムの実現を保障する水準にとどめ、必要な財政調整措置は抜本的見直し後の新たな地方交付税より講じていくことが適当であるとしております。なお、税源移譲を進める段階では、税源の偏在が少ない消費税とたばこ税を真っ先に地方税化すべきであるとの考えを示しております。
  (3)の税源移譲は現実的な段階的方式では、国庫支出金の削減は奨励的補助金を中心にしても、各省庁の強い抵抗が予想されること。地方交付税は地方の歳入の大きな部分を占め、その削減は地方の財政運営に大きな影響を及ぼすことなどから、国から地方への税源移譲は段階的な実施が現実的であるとしております。また、この税源移譲は税収の偏在が比較的少ない個人住民税と地方消費税を中心に行うことが適当であり、国と地方の税源配分の割合は、最終的には少なくとも1対1にすべきであるとしております。なお、税源移譲に当たっては、移譲後 の自主財源の状況に応じた新たな補てん措置の創設を検討すべきであるとしております。
  次に第3章の今後の税制のあり方をごらんいただきたいと存じます。この章では、今後の税制のあり方を検討する切り口として6つの視点を設定し、各税目の基本的な見直しの方向を示しております。
  1番目の視点が地方主権を支える税財政制度でございます。ここでは基本的視点として自主・自立、地域社会の維持は地方税中心、地域の独自性の尊重という3点を掲げております。今後の方向として、国庫支出金の抜本的見直しのほか4項目を挙げておりますが、まず国庫支出金については国庫補助金を基本的に廃止・縮小すべきであること。地方交付税制度については、その原資の一部地方税化により、大幅な縮減を図るべきであること。税源移譲については、3段階の段階的移譲により地方税源の充実確保を図るべきであること。課税自主権の行使については、地方自らの判断と責任で超過課税や法定外税などを十分に活用していくべきことを打ち出しております。
  2番目が活力を生み出す税制でございます。少子高齢化が進展し、働く世代が減少していく中で、社会を維持・発展させていくためには、「活力を生み出す税制」の構築を図ることがまず必要であるとの認識から、ここでは活力の維持・発展と個の尊重を基本的な視点に据えております。 今後の方向としては、個人所得課税の最高税率の引き下げ及び累進構造の緩和、芸術文化に対する寄附金控除の拡充、非住宅用地にかかる固定資産税・都市計画税の負担緩和、相続税・贈与税の負担緩和の4つを打ち出しております。
  次に6ページになりますが、3番目の視点として応益性を重視した地方税制を挙げております。租税原則には応益原則と応能原則とがありますが、地方税については応益原則がより重視されるべきであるとの趣旨から、ここでは地方税の応益性の明確化を基本的視点に据えております。
  今後の方向として、まず現在大きな議論となっている法人事業税の外形標準課税の導入を図っていくことの必要性を示すとともに、最近の景気状況等から外形標準課税の早期導入が困難な場合に、何らかの代替措置を講じる必要があるとし、欠損金の繰越控除の法人事業税への適用制限を打ち出しております。また住宅用地にかかる固定資産税等については担税力の弱い高齢者等への配慮をしつつ、著しい税負担の不均衡の是正が早急に図られるべきであ るとしております。
  次の4番目は環境に配慮する税制でございます。環境は一旦壊れると元に復することが困難であることから、環境問題の改善を経済の目的の中に内在化させていく視点が重要となります。しかし、税制のほうは必ずしも十分に環境に配慮したものとはなっておらず、自動車税の税率構造などに見られるように、相変わらず産業優先の考え方が重視されている実態がございます。このため、ここでは経済発展と環境配慮の調和を図る観点から、税制を再構築することが必要であるとの認識を示しております。今後の方向としては、軽油引取税の課税の適正化、自動車税制のグリーン化、自動車税等の税率構造の見直し、環境税の創設の4点を挙げております。
  次の5点目が、負担を分かち合う税制でございます。少子高齢化が進展していくことや、働く世代が減少していくことを考えあわせると、働く世代に過度の負担を求めることはできず、世代間の公平を維持していくとともに、負担能力がある者に広く、薄く負担を求めていくことが必要となります。こうした観点から次の7ページになりますが、今後の方向として個人住民税の税率構造のフラット化だとか、人的控除の見直しによる負担の分任、高額所得者にかかる老年者控除の見直し、租税特別措置の一層の縮減、消費税の見直し等の5項目を挙げております。
  最後の6番目が透明性を高める税制でございます。今後の税制のあり方を考えるに当たっては、納税者から見た税制の視点が何よりも大切であり、簡素でわかりやすい税制にしていくとともに、納税者本人にかかる税務情報は可能な限り公開していくなど、公正・公平で透明性の高い税制を構築していくことが必要となります。こうした観点から、今後の方向として課税の仕組みを納税者にとって簡潔でわかりやすいものとする。税制の簡素化、固定資産税評価額の公開等、納税者の迅速な権利救済制度の構築の3点を掲げております。
  大変雑駁でございますが、以上をもちまして概要の説明を終わります。
神野会長
  どうもありがとうございました。ここで、先ほどこの会議の冒頭でお諮りいたしましたように、これ以降審議の議事につきましては非公開とさせていただきたいと存じます。大変恐縮でございますけれども委員及び関係者以外の方々はご退室をお願いしたいと存じます。また委員の方々には、この間を利用いたしまして、この調査会は一時休憩とさせていただきます。おおむね5分後に再開をしたいと存じますので、よろしくご準備方お願いいたします。
  それでは休憩といたしますので、委員会は一応中断いたします。よろしくご協力ください。
(報道関係者等退室)
(休        憩)
神野会長
  それでは再開をさせていただきますが、先ほど事務局のほうからご説明いただきました中間のまとめについての審議に入りたいと思います。この中間のまとめは秋以降、東京都が国に対して提案や要求をしていく際に生かさせていただくということが1つの目的にもなっております。
  したがいまして、この中間のまとめにつきましては、本日ご審議をしていただいた上で、とりまとめをさせていただくという方向で議事を進めてまいりたいというふうに存じます。
  先ほどご説明いただきましたように、この中間のまとめは3章から成り立っておりますが、議論のしやすさを考えまして、ひとまず章ごとに議論を進めたいというふうに考えております。
  まず第1章をご覧いただきますと、この中間の取りまとめの状況認識と課題の設定というような内容になっておりまして、大きく3つ、つまり日本経済の低迷と財政破綻について触れ、2番目で目指すべき社会のあり方を示し、3番目で財政構造改革、行政改革、地方分権の一体的な改革が必要だという内容になっております。
  まず、この第1章についてご意見なり、もちろんご質問を含めてでございますけれども、いただければと存じます。いかがでございましょうか。
大木田特別委員
  第1章ということでありますけれども、その前に4つの小委員会で8回にわたって議論されてきたということでございますので、今、全体を通しまして基本的なことがここに書かれておりますけれども、その理論の過程の中で具体的なことがどの程度いろいろと出て、話し合われたのか。
  先ほど座長から4つの小委員会のポイントだけの話がありましたけれども、ここに網羅されていないこと等、具体的なこと等も検討されたことがあれば伺っておきたいと思います。
神野会長
  委員長その他でご説明していただくということも可能ですけれども、とりあえず4つの小委員会で、私が説明した以上のことを事務局のほうから、少し具体的な内容を含めてご説明いただきますでしょうか。
主税局長
  時間の関係もありますけれども、端的に申し上げますと、その小委員会でご議論いただいた中身というのは、全部この「中間のまとめ」の中に入っております。漏れているものは1つもありません。これをごらんいただければ、ご議論の中身がどういう中身かということがわかるようにまとめたつもりであります。
神野会長
  委員、今の局長の説明でよろしゅうございますか。
大木田特別委員
  例えば、具体的なこの1章からということになりましたけれども、話が少し飛んで申しわけないんですが、例えば特定財源の問題なんかは述べられておりません。例えば、東京からガソリン税とその他3,000億円ぐらいの収入が入っていますけれども、実際に東京に来ているものが1,500億円ぐらいになっているわけですよね。したがって東京で上がっている税収に対して、地方に配分されている部分が非常に高いものですから、具体的にはそういうようなものが道路特定財源以外でもいろいろとあるわけでありますけれども、一回そういうものを明確に整理して、地方というより東京として、都市型税制といいますか、東京の立場としてどう国に申し上げていくか、国に要望していくかということも整理する必要があるのかと、そんな感想がありましたので聞いたわけであります。
神野会長
  東京都でかなりの税収が上がり、それが他の都道府県と比べてかなり上がっていて、それが回っているのではないかというようなことも一応行間には書いてあるということだと思いますが、もう少し具体的にということであればまた検討いたしますけれども、当面2章、3章、その他でも触れる問題でございますので、一応大体触れてあるような気もいたしますが、少し追加でご説明していただくことはございますか、今の件に関して。
主税局長
  事務局の方で1つだけございますが、知事のほうからの諮問の中身はもちろん東京都独自の話もあるわけですけれども、それにとどまらず、地方全体の立場からという強い諮問の意向がございました。
  今、大木田委員がおっしゃったその話も、先ほど会長からお話がありましたように、触れてはあるんです。必ず一度は触れてはあるんですが、全体としては東京都独自の世界よりは、むしろ地方全体でどうなんだというところに焦点を強く合わせた指摘になっています。もちろん東京都独自のこれ以外の例えば財源調整の話なんかもいろいろあるわけでございますけど、そうした財源調整の話は意識して具体的には提言をしてありません。それはこの税制調査会の発足のコンセプトを踏まえて、自制をした世界が全体としてあるということでございます。そういうことで、全体が構成をされている部分があるということでございます。失礼しました。
大木田特別委員
  そういう趣旨はよくわかりますけれども、東京としてこれをまとめて発表していくわけでございますから、地方全体としてはこうだということ。それから東京としては地方とは全く違う状況が数々あるわけでありますので、そうした点を具体的に挙げて、章をつくらなくても、どこか節でもいいと思いますけれども、それを浮き彫りにさせてたほうが非常に明確になるし説得力も出てくると。 それで具体的に数字を挙げたほうがわかりやすいかという感じがありますので、またご検討をいただきたいと思います。
神野会長
  わかりました。それでは、今の取り扱いにつきましては、当面この中間取りまとめでは最終報告に向けての大きな方向性ということを出しておりまして、これまでの小委員会の議論が都合8回、回数としては非常に多いわけですが、個々の大きな4つのテーマにわたっておりますので、最初にご説明いただいたように大きなコンセプト、方向性ということに限って、今回中間のまとめでとりまとめているという性格がございますから、今の東京独自の問題については最終報告のときに何らかの形で生かすかどうか、これもまたこの調査会にお諮らいした上で対処していくというような方向を取りたいというふうに思いますので、委員のお考えもそうでございますから、少し東京独自の特殊性を盛り込んだ内容を最終報告の中に、どういう形で盛り込むか皆様とご相談しながら処理させていただくということにさせていただいてよろしいでしょうか。
古館特別委員
  それでは、まとめて少し時間の関係で意見やら質問をさせていただきます。
  第1章の日本経済の低迷と財政破綻のところで、私も大変感銘を受けた指摘がいっぱいありました。(2)のGDPの伸びを上回る国・地方の財政膨張の中でも、例えばこれまでやってきた国の投資が景気回復策としてはほとんど効果がなかったという指摘もあったり、あるいは4番目で公共投資による財政のバラマキというところでも、最後に景気対策、雇用対策、起債による公共事業をやみくもに実施していくような制度運営を続けていくことは、地方財政の破綻を招くばかりだという、私はこの問題は非常に核心をついた指摘であると考えております。
  個人的ですが、神野先生の出された本はかなり読んでいるんですが、大変そういう部分では鋭い指摘をいつもされておりまして、私なりに大変示唆を受けているところです。
  今の大木田委員との関連で少し質問なんですが、こういう国の状況だとか、全体のこういう財政運営、制度の運営というのは、ここに書かれてあるんですが、肝心要の東京都政はどうなのかという部分が論ぜられないと、その税をどうするかという部分ももう1つはっきり浮き出てこないのではないかと思っております。例えば11年度決算でも、都債残高は7兆2千億円というふうに一般会計をはるかに上回る規模で残高もありますので、そういう点でこれはお答えができればお答えしてもらいたいんですが、答えない場合でも、こういう東京都都政の場合にはどうなのかということの一定の分析が必要なのではないかと、このように思っています。
  また、全体を貫く問題意識なんですが、この7ページのところで、将来不安がさらに停滞を生む悪循環ということで、これも私も今読んで、なぜ将来不安が起こるかということも、ここの真ん中あたりで貯蓄への過度の依存をもたらしている、これが景気低迷の最大原因である個人消費支出の低迷に大きな影響を与えていると。そういう中でセーフティ・ネット、ここでは再構築を急がなくてはならないという形になるわけですけれども、ただこの問題で言うと、セーフティ・ネットというのを非常に狭く考えてはならないのではないかと、このように思っております。
  それで12ページのところをずっと読んでいきますと、今度は一転して東京都の首都東京の役割ということで「リーディング・シティとしてアジア・世界」を主導ということで、今までいわゆる公共事業が景気対策にも、あるいは借金財政をも生み出してきたと論じているんですが、今度ここに出てきているのは12ページ、13ページというところで、東京圏メガロポリス。これは恐らく今回中間のまとめで出てきた「東京構想2000」での中身を持ってきたんだろうと思うんですが、これをやるということがどういうふうに財政問題、税制あるいは財政問題について、どういう影響があるのかということについても、やはり問題になっていくと思うんですね。しかも、この「東京構想2000」の場合はまだ中間のまとめで、今都民から意見を求めている段階ですから、ここでこういうふうに載せるということ自体に、私自身は少し違和感を感じております。
  もう1つ最後に質問ですが、違和感を感じていると今お話ししましたが、現実にお金がないということで、今都民にかなり大きな痛みを伴っている現実に照らして、ここにわざわざこのことを持ってこなければならないものなのかどうかという点で、多少流れからずっときて、途端に今度は公共事業をやりましょうという首都のリーダーシップというか、そういうのをやりましょうというところに、流れとして違和感を感じるわけですが、そこの点で、質問としてはとりあえず時間の関係もありますから最後のこの部分だけ、何か私自身はどうなのかなという考えがあるんですが。
神野会長
  はい、ありがとうございました。大きく申しますと、先ほどのご質問と同じようにやや東京都の財政なり、東京都の政策についても少し深く触れるべきではないかというご意見だろうと思います。先ほどの違和感も東京都の政策にかかわってくる問題でございますので、基本的には今回の中間のまとめでは、繰り返すようですが方向性を少し大ざっぱに風呂敷を広げておいて、後で狭めていくというような具体的な提案を最後のほうに残したいというふうに思っておりますので、取り扱いといたしましては都の財政問題、その他にもどの程度踏み込むかということについては、最終報告の課題にさせていただければというふうに思いますが、差し当たり今のご質問について事務局のほうで何かお答えになるようなことがございましたら、お答えいただければと思います。
主税局長
  特にありません。会長のお話のとおりです。
神野会長
  少し違和感があるかもしれませんが、ここのところも東京都の政策として、多分情報やグローバル化みたいなものに、東京都としてどうやって対応していくのかということを、安全のネット、生活面でのネットと同時に、経済活動というか、生産活動のインフラをこれまでのような公共事業型ではない、少し情報とかソフトの方面にということだろうと思いますので、そこら辺は少し都の政策との関係がございますから、ここは最後の答申のときに再度、答申の時にご検討していただければというふうに思います。
水城委員
  地方税財源の問題、この本文でも指摘されておりますように、とにかく政府税調の中期答申では、一体いつから本格的な議論が始まるのかよくわからない。もう現状では議論すら許さないという非常に堅いものなんですね。私は、それは逆に許されないことだと思うんですね。そういう意味できちんとその辺を指摘して、やはり東京から声を上げていかなくてはいけない。この基本姿勢は高く評価いたします。
  景気がこういう情勢ですから、こういう中で税財源の移譲を実行するのはなかなか今は難しいと思うんですが、議論しても決して景気の妨げにはならないと思うんですね。現に私どもはこうして議論しているわけでございますから、大変基本的な姿勢は高く評価します。
  国の審議会の答申とか報告書の中ではなかなか出てこないような、例えば財政のバラマキとか官民癒着とか、大変都民・国民の視点に立って語られている点も大変私は高く評価したいと思います。
  ただ、表現につきましてはいろいろございます。これはきょうまだ中間ですから、あれこれ言うことは差し控えたいと思いますけれども1つだけ。例えば3ページの真ん中辺に、何か政府税調の答申と何か経済白書との譲り合いがあったと。何か政府税調の答申と刺し違えるくらいのすごい経済白書が出たような記憶が私はありませんし、これはどういうことなのか。週刊誌的な読み物としてはおもしろく読ませていただきましたけれども、相当確たる根拠がなくて、伝聞に基づくものならわざわざ書く必要はないのではないかと思います。それは最終答申に向かって精査していただければいいと思います。
  今後最終的な取りまとめにあたって、これはこれで基本的にはよろしいんですが、留意していただきたいことを2、3申し上げたいんです。
  1つは過去の巨額な過大な財政支出を厳しく指摘していらっしゃって、ここはこれでよろしいと思うんですが、ただあの当時は日本発金融恐慌だとか、本当に不安のどん底に陥れられて、その頼みも財政しかなかったわけですね。やはり多くの人が賛成して、ああいう借金を積み上げて対応したわけなんで、この100%頭からあれがすべて悪であったと。それが景気対策にもほとんど効果がなかったというような記述がございますが、あれがなかったらまた日本は逆にどうなっていたか。そういう問題もございますので、やはり歴史の検証というのはやはり冷静に。これはこれでよろしいですし、これを別に記述を薄めろという意味ではなくて、評価すべき点、やむを得ない点はきちんと認めてメリハリをつけて書きかえていただきたいということが1つです。
  もう1つ、地方自治体の自己反省ということをもう少し明確に出していただきたい。それは大分国を叩いていますが、同時に地方自治体だって、この中央集権体質とかいろいろと言っておりますが、むしろそれを利用してガンガン国からお金を引き出して、バンバンと財政を膨張させたという面も、私はあるのではないかというふうに思います。地方自治体だって、ここは税制調査会なので税金が中心になると思いますが、やはり財政のあり方というのは相当むだ遣いが多いのではないか。こういう機関もあるわけなので、やはりきちんとした地方自治体側の反省もちゃんと踏まえて言わないと、これは説得力が出てこないということが1つでございます。
  それからもう1つ言いたいことは、これは最終的に出すときに結びか何かできちんと出した方がいいかと思うんですが、「自己責任」ということなんです。地方分権とか税源移譲というのは、大変言葉として美しいことですけれども、これは実際には大変なことなんです。もう国に頼ることはできない、助けはもう借りなくていいんです。うまくいかなかったら自治体が破綻するかもしれませんと。その覚悟でやるんだという、地方分権とはある意味では大変身の引き締まる、物すごい覚悟のいることなので、やはりその覚悟を持ってこういうことを国に求めるんだということをきちんと書いていただきたい。最終答申に向かって、そういうことを申し上げたいと思います。
  以上でございます。
神野会長
  ありがとうございました。表現その他については、もう一度私のほうにお任せいただいて、少し精査させていただく場合があるかもしれません。ご指摘のように最終答申に向けて、今回は自己決定権をよこせということを全面にいわば打ち出しているわけで、当然その裏腹には、今、地方公共団体が自己責任を取れないのは自己決定権がないからであって、言下の状況に属しているわけですが、自己決定権をよこせと言うからには、おっしゃるとおり自己責任というものを取るぞということを決意しての書きぶりになるわけですので、最終答申のときにはそこら辺を少し生かさせていただければというふうに考えております。
金子委員
  これ全体が最初の東京都税制調査会の役割から書き起こしておりまして、大変わかりやすい総論になっているかと思います。特にこの当調査会の基本的な役割の3に、税財政改革にかかわる議論の核心を地方の立場から明らかにするとともに、都民・国民や地方団体等とも連携して改革を求めるということも表現されております。かなりドラスティックな提言をするという気構えで議論しなければいけないのかと、こういうふうに感じているわけです。
  ただ、そういうふうに考えながら読ませていただいた部分ですが、少なくとも14ページから15ページにかけては、国の財政構造をも含めた、つまりは国民の租税負担率の問題をとらえて書いているわけでありますが、最後の15ページの上から3行目のところでは、水平的な公平 の確保に資する税制を構築すると書いてあるわけですね。これは東京都あるいは地方税という話ではありませんで、国を含めてということであります。
  ただ私ども小委員会で、渋谷委員からも、税制とはどうあるべきかというのを基本的に最初の日に討議をさせていただいて、ご報告もいただいたわけですが、少なくとも租税というのは応能負担の原則があって、能力のないところから、つまり担税力のないところから税は取れないというような当たり前の話であります。
  特にこの租税の持つ所得再分配機能ということがございまして、所得税、つまり国の税制では累進構造を取るというのが原則的になっているわけです。ここの下りについては、国の税制についても、地方の税制についてもでしょうけれども、結論的に押し並べて水平的公平の確保に資するというふうに言いくくっているわけですが、それは少し言い過ぎなんではないかなというふうに考えるわけです。少なくとも水平的な公平にも配慮する税制を構築するというスタンスでいかないと、今までの応能負担の原則やら所得の再分配機能を無視して、一面的に水平的な公平を確保するとは言いきれないのではないかという感じがいたします。ほかのところでは、大きな意見の差異はないんですが、ここの部分については問題ではないかと思います。
神野会長
  事務局の意見としても、垂直的な公平を確保するには、まず水平的な公平を確保されていないと意味がないわけです。累進税率を高めたところで課税ベースが落ちてしまっていると意味がないわけですから、前提としての水平的な公平をかなり強調したということだろうと思いますが、書きぶりその他、もう少し検討することがあれば検討させていただければというふうに思っております。
  紺谷先生。
紺谷委員
  では、申しわけございません。大変おもしろく読ませていただきました。と申しますのは、さっき水城さんもおっしゃったように、いろいろなところに結構おもしろい表現があって、当の国に対する不満とか、苦情とか、怒りとかというのはかいま見られて、そういう意味でおもしろいと思って読ませていただいたんです。ただ、全体としては少し冗漫、冗長という感じを受けました。
  先ほど水城委員もおっしゃって、全くそのとおりだと思っていましたけれども、ここの「はじめに」というところに、税制と財政とは一体であって一緒に論じるべきなのに、税調やなんかは別々にできているではないか。縦割りだみたいなことを書いていらっしゃるにもかかわらず、ご自身が「都税調」というような自己矛盾が少しあって、やはり収入を図るというときには、支出を明確にしないといけないわけです。それとともに、どういうコスト構造でどこにお金がかかっているのかとか、どこにお金をかけようとしているのかとか、そういうことを一緒に語っていただかないと、少しわかりづらいところがあるかと思うんですね。
  でも、ここで見まして、東京圏全体として首都機能になるというような非常にいいご意見で、何か私が言うのは申しわけないですけれども、当然そうだと思うんです。東京は首都機能を持っておりますけれども、東京都1都だけで整備するのは到底無理でございますから、その防災の点から言っても、あるいは水とかそういうライフラインその他の面から言っても、やはり首都圏全体でインフラ整備ということをやっていかざるを得ないと思うんですね。
  特に道路がそうだと思います。中央集権的な道路網であるがゆえに、東京は環境その他の問題を抱えているわけでありまして、その分を外環や何かをもっと充実させていくことによって、道路のネットというのは情報のネットより、あるいはもっと大事かと私は思っているのでございます。そういう問題意識というのは非常に結構と思うんですけれども、東京が日本を牽引していくという力強い石原都知事のイメージどおりのことは、とてもよく書いてくださっていて、それはそれでありがたいことなんです。
  でも一方で、地方税は応益税であると。住民のニーズに応える地方こそがそういう役割を担っていくべきだとお書きになっている割には、住民に対してどんなサービスをしていくのか。そういう地方自治体としてのナショナル・ミニマムというような言葉を散りばめながら、ご自身は何をナショナル・ミニマムと考えていらっしゃるのか。都民にどんなサービスをしようとしていらっしゃるのか。どんなことを行政としてやるべきなのかということが、全然語られていないと思ったんですね。そこが明確でない以上は、税収を図るというのは単にお金を欲しいのかなと思わざるを得ないということになってしまうんですね。
  先ほど従来のような公共事業型ではなくというような表現があちこちから出ておりまして、水城委員もおっしゃいましたけれども、私は公共事業はとっても大事だと思っているんですね。防災の観点から言ったって、道路の幅員を広げるということは非常に大事でありまして、下町のほうなんてものすごく道がごちゃごちゃしているんですね。私が住んでいる新宿は一応山の手なんですが、それでもやはり細い道がいっぱいあって、6~7メートルの道路を要所要所につくって、ブロック化していって延焼を防ぐということをしなかったら、大地震でもきたら大惨事になります。ですから今こそ公共事業なんですよ。
  私は、21世紀とかITとおっしゃるだけでその評論家は信用しないことにしているんですけれど、情報情報というのは当然大事なこととは言いながら、もっともっと足元の従来型の中の必要なものをきちんと固めてほしいと思うんですね。だから、その情報インフラももちろん必要なんですが、そんなものは放ってておいたって民間がやります。だから国としてやるべき、そういうむしろ公益重視ということでおやりいただければなと思うんですね。
  先ほどから大風呂敷を広げておいて、その地方公共団体、地方自治体として、それで国との関係その他を論じたいんだというお話でしたけれども、私は逆だと思うんですね。むしろ、東京固有の問題というのがたくさんあるわけでございますから、東京に特化していくことによって深く穴が掘れて、それできちんとした議論ができて、その特化した部分、共通の部分もそうではない部分も、ほかの地方自治体の参考になるというものだと思うんですね。それを地方自治体全体の問題というふうにしてしまいますと、非常にあいまいになるわけです。しかも東京都においては、東京固有の問題が非常に重要なわけです。つまり首都機能という点からいきましても、防災という観点から言いましても、ほかの地方と全く違うんですね。しかも、そこは極めて重要なわけですから、全体として共通の議論をして、それから絞っていくとかいう類の話ではないというふうに思うわけでございます。
  地方主権というふうにおっしゃっていらっしゃいました。それはそれでいいことだと思うんですけれど、主権とおっしゃる以上は国の将来像についても、国民生活の将来像についても、独自の主観がなくてはいけないんです。主観というのはおかしいですけれども独自の見方があって、初めて地方主権ということがあり得るんだと私は思うんですね。企画庁だって、日銀だって、全然大蔵省と違う景気見解を発表したことがほとんどない。何で日銀は国立なんだと思っておりますけれども、それは同じなんですよ。やはり独立であると。独自に政策を打ちたいというんだったらば、独自の見解ということがなかったら話にならないんですね。経済に関する見方を共通にしておいて、それで独立性って言ったら、単なる権限争いと言われても仕方がないんですよ。ですから東京都も、やはりどう今後の日本の将来像を考えるかというと、基本的なところでは一般に言われていることと全く同じです。財政赤字が大変だ。年金医療は将来暗いぞとか、そういう話をなさっているわけですよ。私はそれは全く違うと思っているんですね。
  例えば、年金に関してはご承知のように、私学共済年金というのが財政優良というのはご存知だと思うんですよ。定年が遅いからですね。日本ではお元気なお年寄りがいるからこそ高齢化が進んでいるわけなんで、高齢化、高齢化と非常にネガティブにご議論なさいますけれども、お元気なお年寄りがいっぱいおいでだから、国民が長生きできるようになったから、豊かさの裏返しとして高齢化が進んでいるんで、ほかの国は悔しかったらまねしてごらんよということなんですね。だから、そういう高齢化は確かに大変な要素というのもございますけれども、例えば今国の政策はどういうことかというと、65歳以上はみんな社会がお世話をしなかったらば、生きていけないようなイメージ、幻想を振りまいているわけです。だけど、私の勤め先は大蔵省の外部団体でありまして、理事長はずっと大蔵省の天下りですけれども、現理事長は70をとうに過ぎておりまして、現役で働いていらっしゃるわけですよ。それなのに国民が65でおしまいみたいなご議論はやめてほしいんです。一体だれが65歳から高齢者と定義したんですか。しかも総務庁のアンケート調査によりますと、60過ぎたって、65歳過ぎたって、70になったって仕事があるなら働いていたい。何らかの形で社会に参画していたいとおっしゃっているわけでありまして、今後高齢化、少子化が進んで、労働力不足から国力が衰えると一方でおっしゃるんだったら、お元気な高齢者、あるいは先進国にもあるまじき就労比率のM字型をいまだに堅持している、日本の女性労働をきちんと使っていくという未来図を語っていただくということも非常に大事なことなんですね。しかも、これから伸びていくサービス産業、つまりぜいたくになればなるほど、消費が高度になればなるほど、家事代行の部分というのはふえていくわけで、それは明らかにサービス産業なんですよ。貧しいときには全部自分でやっていたこと、例えばクリーニング屋さんとか、食堂とか、あれはみんな家事代行なんですね。今後どんどんそのウエートがふえていくと。つまりサービス業なんですよ。ところが、サービス産業というのは、長く生きてこれらた生活体験豊富な高齢者の生活の知恵と気配りが生きるところでございます。だから欧米ではレストランだって、デパートだって、ホテルだって高齢者が働いておいでないんですね。そういう労働力のミスマッチをいろいろな形で排除していく。高齢者に職を確保していくと。男女雇用機会均等法はできましたけれども、年齢による差別を撤廃しろというような法律は日本にはまだないわけでありまして、そうやって高齢者の皆さんにも将来明るい展望を持っていただきたいんですね。
  高齢化対策、高齢化対策と毎日毎日聞かされていたら肩身が狭くなって、何か自分は生きていたらいけないのかというふうに思ってしまうのかと思うんですよ。私も先ごろ誕生日が来て56になりまして、政府規定による高齢者に10年ないんです。だからあまり高齢者の基準というのを低く置いてほしくないなというふうに思うんですけれども、お元気な高齢者に社会参加していただく、働いていただくと。そのことによって年金財政だって相当違ってきますし、医療介護の必要に対する予防措置にだってなるんですね。元気で働いていれば生きがいをお持ちになるわけですよ。そういう将来像というんでしょうか、東京都独自の国民生活及び国家としての将来像を語らずして何の地方主権かというふうに思うんですね。そうやってお元気な高齢者に社会参画していただくようなそういう形で、いろいろな設計をなさったらいかがなんでしょうか。
  介護だっていきなり介護の社会化なんて言わずに、ボランティア方式でやっていくと。タイムダラー制でやっていくということをどうしてお考えにならないんでしょうか。それこそが、さっきどなたかがおっしゃった。水城さんですか。何か水城さんばっかり引用して申しわけないんですけれども、自己責任の社会なんですよ。
  日本というのは、ほかの国と比べて非常に所得水準も資産水準も高いんですね。今は不況の関係で世界第2位かなんかから第7位かなんかに落ちているそうですけれども、基本的には3位から下に落ちたことがないんですよ。そういう国なんですね。そういう豊かな国なんですから、国民は自分で老後を養えるお金を持っているわけであります。だから税制だって、例えば資産課税だって取ることばっかり考えていないで、国民の資産形成を促進して、それを持って自立した生活を送っていただくという方向だってあり得るわけです。そういう国に引きずられた発想ではなくて、独自の東京都としての考え方というんですか、出していただければよろしいと思うんですよ。
  最近の新聞を読んでおりますと、大蔵省がバランスシートを発表すると。700兆からの年金の赤字があるとかとインチキなことばっかりおっしゃっているんですけれども、公的年金というのは基本的に付加方式でやっているわけですよ。付加方式だったら積立金ゼロでもいいんですね、原理的にはね。だからイギリスなんて1年分ぐらいしか持っていないわけですよ。日本は5年分以上の積立金を持っている。だからその付加方式に積立方式をちょっと振りかけているという形になっているわけですね。それなのに厚生省は何をおっしゃっているかというと、今は4人に1人だけれども、そのうち2人に1人になると。若い世代の負担が大変だと一方でおっしゃりながら、積立金が700数十兆足りないとか。やめてくださいということですよ。
  100%積立方式にしたって、今後入ってくる保険料を全く無視して、それで何となく将来払うべき保険金を国の負債であるかのように語っているわけですね。それも非常におかしなことですね。そもそも645兆円という国の負債は、すごくおかしな計算をしているわけです。OECDのエコノミック・アウトルックを見たって、何を見たって、大体その国について経済を語るときには、中央政府だけについて語るか、あるいは山村で仏様を中心に日光・月光菩薩ではありませんけれども、地方政府と社会保障基金勘定を入れるか、そのどっちかしかないんですよ。3か1なんです。2っていうのはないんです。だけど地方自治体と国の勘定をしているんですよ。どうしてか、どっちも赤字だからです。社会保障基金は黒字だから入れないんですよ。そうやって財政赤字を非常に大きく見せかけている。しかも645兆円の単なる負債であるにもかかわらず、それが赤字であるかのように誤解させるような言論をずっと大蔵省と財政学者の皆さんはなさってきたじゃないですか。とてつもないインチキなんですね。
  小渕さんは、私は世界一の借金王だとおっしゃったけれども、世界一の資産王でもあるかもしれないわけでありまして、そのことについて最近大蔵省がチラッチラッと出しているのは、いかにも補正予算をやらせたくないと言わんばかりの国の財政危機をあおるがごときの報道なんですね。おかしいですよ。
  日経新聞だって何だって、国を企業に例えたらとっくに倒産というけれども、国を企業に例えてはいけないんです。何となれば財政というのは、家計と同じで共通のお財布でありまして、家族それぞれ、国民それぞれ別のお財布を持っていて、全体としては黒字なんだということを忘れてはいけないんですね。
  財政が赤字でも日本は全体として黒字なんだっていうことですよ。暗い将来ばっかり語らないでいただきたいですね。もちろん地方自治体は違います。けれども、その東京都というふうに限定したって、やはり都民はたくさんお金を持っているわけですよ。日本の国債は国民から借りているだけなんです。ほかの財政赤字国のように官民挙げて借金体質で、いつか外国に返さなくてはいけない借金を抱えているわけではないのですから、そういうことをきちんと考えていただきたいんですね。
  家計費が赤字で、毎年毎年前借りしているようなやり繰り下手の奥さんでありましても、ご主人様が働き者でお金を使い切れなくて、余ったお金を隣近所に貸してあげている中で、ご主人が病気のときに家計費赤字なんだから、お医者さん呼ばない、景気対策できない、と言っているがごとき間違った議論をずっと、マスコミと経済学者はしてきたわけでありまして、それを地方財政とか行政の現場においでの方たちまで鵜呑みになさって、こんな間違った国家感に基づいてご議論なさるというのは、どうかしていると私は思うんです。全然違うと思います。日本の将来はそんなに暗くないです。明るい将来を語っていただきたいと思うんですね。だから、そういう豊かな日本というような自立した国民と豊かな資産を持っている、所得も世界トップレベルに高いというような前提で話をしていただければと思うんです。
  右肩上がりの時代は終わったとよく言われますけれども、右肩上がりの時代なんて全然終わっていませんよ。右肩下がりということは、デフレ経済は終わらない。今後も日本の成長率はゼロ成長率とマイナス成長だと、某東海地方の方がよくおっしゃっているようなそんなことには絶対にならないです。もう首をかけてもいいと思うぐらいになりません。仮にそういうことになったら、それは日本の破滅なだけではなくて、世界経済が破綻しますから、G7だろうが、サミットだろうが放っておかないですよ。そういう暗い将来像に基づいて、財政でも、税制でも語ってはいけないんだという話で、日本の国力というのを見間違えないでいただきたいですね。そういう前提でご議論いただければと思うんです。年金と医療の危機が極めて大げさに語られていると。100%付加方式でやったときと、100%積立方式でやったときと、両方の危機を並べ立てて言っていると。しかも積立方式だと入ってくる保険金を無視しているというようなことを忘れてはいけないし、医療についてだって薬価基準だとか、あるいは検査費用の問題やなんかをいろいろ見直せばいいものを、高齢者がタダだと思って病院にやってくるみたいな失礼なことを言って、自己負担をふやすというようなことをやっているんです。そういう霞が関の手に乗らないでください。皆さん日本はそんなに悪くないと、私は信じているんです。もう長くなるからやめろと、事務局から合図がきましたのでこれでやめますが、失礼いたしました。
神野会長
  どうもありがとうございました。それで、ちょっと私の司会の不手際で第1章はまだ総論のところで、重要なのは2章と3章でございますので、もしもよろしければ、一応今の紺谷委員で質問を打ち切らせていただいて、2章、3章のほうに移らせていただきたいのですが。
矢部特別委員
  今のお話とも似ているのかもしれませんが、冒頭の停滞の10年というところは私は大変引っかかっておりまして、それは裏返しにバブルのときの財政があって、そこに戻らなければいけないというような考え方が、どこか根底にあるんじゃないかというような感じを絶えず受けているんです。ですから、この表現を変えられないものかなというふうに1つは思っております。
  もう1つは、1章だけではなくて全体に出てくることです。都議会でもかねがね主張していることですが、例えば、このまとめの2ページの一番下で3のところの上らか2行目、少子高齢化と言葉をセットで使うんですね。私は基本的に少子化と高齢化とは丸きり別なものだと。異質なものをくっつけていくというのはよくないと思っておりますが、少子高齢化という言葉がこれ以降、この概要版で都合3回か4回出てきます。これについて、こういう前提なのかどうか。
  以上2点でございます。
神野会長
  はい、わかりました。それでは一応今の問題も含めて、1章は一応これで打ち切らさせていただきます。紺谷委員のご高説では、日本の経済学者、財政学者は踊らされているということですが、私は一貫してそういう意味では紺谷さんと同じように、大蔵省に対して3つの政府、そのものをちゃんときちっと財政赤字のときにはカウントしなければならないので、もしも社会保障基金を乗せるであれば、日本は積立方式だからという理由で除外するのであれば、国民負担率の方からも、それは負担ではないので除外すべきだということは言ってまいりましたので、必ずしも少数意見ではないということです。
  多分、ご趣旨は、税調その他が税の問題だけを取り上げ、歳出の問題を全く無視といいますか。それをあまり考慮していないということを批判するのであれば、この東京都の税調はむしろ歳出面との関連で税制を議論すべきだというご趣旨だと思います。
  それで、この問題についてはここで書かれておりますように、現在のところ日本の地方政府には自己決定権がないわけですね。例えば介護保険と言ってもあれは自治事務。つまり、本来地方自治体が地域社会の実情に応じて決定すべき事務でもあるにもかかわらず、法令に基づいて事細かに決められてしまっているということで、全国画一的にやらされていて、それでは仕事ができないではないかということだろうと思うんですね。それで紺谷先生がおっしゃっているように、ここでも、それぞれの地域社会でニーズに応じた公共サービスと申しますか、必要不可欠なところを埋める公共事業は否定しているわけではないと思いますので。
紺谷委員
否定ではなくて、都として何をしてくれるか。
神野会長
  はい、わかります。それで、その件については、今はそういうことで、まず自己決定権を与えろということを打ち出しておりますから、最終報告なり何なりで、一応自己決定権を取り戻した暁に、東京都独自の政策でどんなことができるのかという関連で物を言えというお話だと思うんですね。
紺谷委員
  やりたいことがあるから決定権を与えるというのではなかったら、話は逆なんですよ。日銀と同じになってしまうんです。だから、まずやりたいことを語ってほしいと思います。
神野会長
  はい、わかりました。そのことを取り扱いを含めて最終報告のときに、先ほど来、東京都としてどういう政策ないしはどういう財政を建て直すのだということも触れるべきだとご意見がございますので、最終報告のところで取り上げさせていただければというふうに思っております。
  それで、少し不手際がございまして、1章から熱が入ったご議論いただいているわけでございますけれども、2章についていかがでございましょう。
  2章は地方分権を推進するための税財政の改革ということで、基本的には地方財政の現状を1で触れ、2、3でもって国から地方への財政移転、トランスファーを見直して、4番目のところで税財政の移譲をするということが緊要の課題なのであっていいということです。
  先ほど水城委員からもご指摘がありましたように、少し強目に、まず今こそ早目に出すべきだということを、つまり税源移譲を早期に着手すべきだということを打ち出しているというのが2章だと思いますが、ここについてはいかがでございましょうか。
大木田特別委員
  この税源移譲の問題ですけれども、最終的には少なくとも1対1程度になるようにすべきであるということなんですが、私は最終的には国の4で、地方が6になり4対6ということをずっと考えているんです。最終的にはという表現で、第1段階として1対1になるようにすべきだということはいいと思うんですけれども、最終を使うとこれでもういいみたいになってしまいますから、この表現はもう少し考えていただいたほうがいいと。
  以上です。
神野会長
  今のご意見は多分基本的には仕事といいますか。事務配分に応じて税源というのは配分されるべきである、というご意見ですよね。わかりました。その点を含めて表現を考えさせていただきます。
古館特別委員
  意見だけ述べさせていただきます。4の地方税源の充実確保の中で地方消費税を対象税目にしておりますけれども、政府税調の中期答申で消費税を我が国の基幹的な税というふうに位置づけをして、消費税の増税がかなり考えられているわけです。そこで地方消費税として税率を引き上げることによって、結局それは5%の範囲以内というふうにおっしゃるのかもわかりませんが、消費税全体の引き上げに連動していくことは、これはいろいろな背景からいっても十分考えられております。
  特に消費税の場合は、消費を冷え込ませて、とりわけ所得の低い人に税負担が重くなるという特徴を持っているものですから、地方消費税という位置づけは、私は避けていただきたいと、このように思っています。意見です。
神野会長
  今のご意見は、ここでは特に国税と地方税全体を合わせての負担については言及しておりませんで、中身の問題としてできるだけ、後の言葉にも出てまいりますけれども、お互いに負担し合うような税金については、地方税に移譲すべきだという論旨だと思いますが、若干そういう誤解があるようなこと、少し表現を考える余地があれば少し考えさせていたかだければというふうに思っております。
金子委員
  24ページですが、中ほどから下のところです。消費税とたばこ税のことが書いてございまし て、国から地方への税源移譲が進んでいく段階においては、真っ先に地方税化すべきであるということであります。非常にわかりやすくて賛成でありますし、その後具体的には27ページに具体的なことが考えられるのかなというふうに感じますが、イメージがこの表現では言いにくいのかなという感じがします。言っていらっしゃることはもっとドラスティックなことを言っていらっしゃるのかという感じがするんですが、いかがでしょうか。
  少し付言しますと、かつて国の主要な税制であった土地、つまり地租が地方税になりましたね。それから明治29年に事業者にかけた国税の営業税が、今は事業税と言っていますが、これまた地方税になりましたね。こういうようなドラスティックな移譲というのは、必要なときには直ちにやれるようなことが必要かと思うんですが、ここでもそういうことを言っていらっしゃるとすれば、やはり消費税は地方税化すべきであるということを言っていらっしゃるのかな。もしそういうことまで考えるとすれば、私は大変に今回の税調は意味あることだというふうに考えております。
  では、国は消費税を取れないのか。そんなことはないわけでありまして、保税地域から引き取りに関する課税の対象については、国が一元的に課税できるわけですね。全段階税控除ですから、そこでは取りっぱぐれなく取っていて、後はどんどん転嫁していくと。この転嫁していくのは地方の税源であるという仕切りというのは非常にわかりやすいし、徴税の費用も今の税制があるということを前提にすれば、やはりいいのではないかということですから、この点はそういうことを踏まえて書くならば、もう少しわかりやすく書いていただきたいという希望を持っています。
神野会長
  今、金子委員がおっしゃったように、地租と営業税の両税移譲というのが大正デモクラシーの運動でしたから、そういう問題を含めて、地方所得税と地方消費税のドラスティックな移譲を一応訴えながら、ここでたばこ税を触れているのは、これも税が各地域に普遍的になじむ税金であるので、わざわざ国のほうで取って戻す場合などは必要ないのではないかということで言っているのかと思いますが、何か追加してご説明していただく点はございますか。
主税局長
  今のご指摘は、ここの部分以外に中長期の課題ということで、例えば所得課税は法人と個人とがありますけれども、個人所得が地方税、法人所得は国税というふうに、そういう棲み分けが必要だというふうな指摘もほかにしてございます。
  今おっしゃったその考え方をここのところではなくて触れているところがございますが、ここの 消費税については、要するに今の国税部分の相当部分を消費税としてよこせと。所得税については、所得税の減税をして個人住民税に移せという考え方です。たばこ税は偏在度が少ないので、その2つで足りないものをたばこ税で調整する。そういう大まかな考え方であります。
神野会長
  私が解説するのも申しわけないんですが、交付税というのは日本はワイマール共和国で行った交付税の財政調整制度を入れたんですね。1920年にドイツの蔵相エルツベルガーの改革でもって、それまでドイツでは地方、つまりプロイセンとかそういう地方は所得しか所得税がかけられなかったわけです。
  ところが、賠償金その他でどうしても国に税源を集めなくてはいけませんし、しかも累進税率に所得税を大まかにしていかなくてはいけない。でも、累進税率にすると結局地域間格差が広がりますので、一旦国に引き上げて、それを再分配するという形をとって、財政調整制度を入れましたので、交付税財源に入れる財源というのは、地域間格差の大きい、そういう財源であるべきなのに、消費税とかたばこ税というのは、消費税もこれはだれかがやっていますけれども、つまりもともと今の水準でばらしてしまっても、交付税でばらしても、そんなに変わらないんですね。
  3,300市町村でやると当たりが少し違ってきますけれども変わらないので、消費税、たばこ税というのはあえて一旦国に持っていって国税財源にする必要はあるのかという趣旨でよろしいですよね。交付税の財源というのは、もっと極端に言えば、例えば相続税とか、そういう地域間格差の非常に激しい税金なんだけれども、これは地方税に持っていけないと。したがって、一旦、交付税財源に入れて、地方に持っていこうという趣旨であればいいけれども、もともと偏在度がなくて、ちゃんと配られているものを何でわざわざ一旦国に持っていくんだという趣旨だろうと思いますので、そこはそういう趣旨でよろしいですよね。
  あと、いかがでしょうか。なければ戻っていただいても構いませんので、3章についてご議論いただくことになります。
矢部特別委員
  32ページの固定資産税と都市計画税の負担の適正化というところでございます。東京の中ではいろいろな仕組みをつくって、何とか負担に耐えるように今やっと数字が低くなってきているというふうに思っています。その結果、非住宅と住宅とで6分の1、あるいは6倍に、極端なところは差がついている。これは現実としてあるというふうに私も理解しています。
  そのときに、この差がありすぎるというのは、この中では少し住宅のほうを場合によっては上げることも考えるようなニュアンスの記述が後半の5行目ぐらいにありますが、ここはどうかというふうに思っております。それよりも商業のほうがまだ高すぎるという私は認識をいたしております。
  それと同時に応能・応益というお話が出ておりますが、それこそITという言葉がいいかどうかはともかくといたしまして、やはり今日本がこれだけ収益還元という考え方を入れていないというのは、極めて不可解でございまして、アメリカの例を見ましてもコンピュータが進むと同時に、それと並行するように進んでいったというふうにお聞きしておりますが、収益還元という考え方を取り入れるということを何か表現できないものかというふうに思っております。
  全体に大蔵省の役人は特にそういう言い方をするようですが、東京に住む以上税金は高くて 当たり前だという考えがどこか役人にあるとするならば、東京に住むということのコストがどこまでが許されて、それ以上はぜいたくと言われるのかというようなところが、何か表現できないものかというふうに思っております。
神野会長
  ありがとうございます。重要な問題なんですが、引き続きたぶん資産課税の小委員会で具体的に検討していただく課題になるかと思いますけれども、私も出ていないので、何かありましたらどうぞ。
主税局長
  今の会長のお話にですけれども、1つだけ。実はこの固定資産税のところは、負担水準の話でありまして、この考え方で整理をしますと、23区のエリアは住宅用地についても税負担の軽減になります。今、住宅用地は平均負担数字が全国で65%、23区で78%でありまして、東京エリアの話ではなくて全体の話で、この負担水準を適正化をすると。その上であるべき税負担をどうするかというそういう整理でありまして、23ページについて言えば、今極端に住宅用地についても負担水準が高い状況がございますので、この考え方でいっても23区については減税になるということになります。全体とすれば、負担水準の格差が極めて大きいわけでありまして、そこを平準化することによって全体としては固定資産税の税収は若干ある。そういう内容であります。
神野会長
  よろしいですか。
矢部特別委員
  すみません、理解できないで。どういうふうに言ったらいいでしょうかね。要は都市計画税のほうを調整するという意味ですか。要するに都市計画税を2分の1にしているという結果として、合算すると下がっているということはあるのかもしれませんが、その部分はこれからの課題の部分もあるかもしれませんけれども、基本的に今、都税収入の中で伸びているのは固定資産税ですね。これがダントツに税収として現在でも伸びているわけです。だから全体の税収のバランスがとれているというようなところもあるわけですから、ほかが回復していくならば逆に下げるべきではないかというふうに思うべきではないですか。
神野会長
  負担調整が行われるならということですね。
主税局長
  私の説明が足りなくて申しわけなんですけれども、東京エリアについていいますと、負担水準を均衡化すれば、住宅用地についても今に比べると減税になります。ただ、ほかのエリアは負担水準が、例えば30%とかいうところもあるわけでございまして、平均で言っても23区と全国との間で住宅用地だけで13%の差があります。ということで、均衡化をすれば、この考え方で23区については現状よりも土地について全体が小さくなるということです。ただ全体でいきますと負担水準を平均化しますので、地方全体でいけば若干の固定資産税は上がるということです。
  都市計画税もここのところでは具体的には申し上げてありません。それは別の話です。一本化して固定資産税と都市計画税というのは、納税者にとってはむしろ分ける話ではなくて、もう一体的に全体を考えたほうがいいのではないかということであります。
神野会長
  今のでよろしいですか。たぶん負担水準の調整が平成12年度に行われているわけで、負担調整が進めば都のほうも減税基調があるということですよね。
古館特別委員
  今のがそうであれば、この書き方というのは、これからの後の話でまたお尋ねしようと思ったんですけれども、結局都民なんかにこれからもこういう中間のまとめもいろいろと意見を聞くわけですよね。これを素直に読むと、住宅用地が少し上がるのかというふうに思うと思うんです。
  だからそこのところの表現は、もっとわかるようにしてほしい。
  最後の意見ですが、税は先ほど金子委員がおっしゃったように、私は担税力とか、やはり大企業だとか所得の多い人、そういうある意味で納税する力のある方が、それにふさわしく税は納めていただくというのが基本ではないかと思っています。
  先ほど消費税の問題も言いましたけれども、この中に赤字の中小企業にも税金を課す法人事業税の外形標準課税というのも入っております。これは東京都自身も毎年国に要望を出していることは私も承知しております。銀行課税というのもやったわけなんですが、これは中小の外形標準課税が、東京の場合ではこれでどうなのか。つまり税収の問題から見てもです。それで今の状況の中で赤字の中小企業なんかもいて、神奈川なんかを見ましても、税金を少しかけようということになっていますし、それで本当に景気問題がどうなのかということもありますので、私はこの問題については外形標準課税を計画の中に入れるべきではないと思っています。
  都市計画税の問題もどうやら見直しという話が出ていますけれども、これ自体も頑張って見直しはしないという方向でも、私は今の財政状況とかいろいろな形を総合的に見ますと、それをしなくてもやっていけるのではないかというふうに思っておりますので、そういう意見を述べさせていただきます。
神野会長
  水城委員、ございますか。
水城委員
  幾つかありますので、簡単に申し上げます。始めに個人所得課税の最高税率の引き下げということを言っておりますが、これは恐らく個人住民税をフラット化する場合に、今の税率13%を10%に下げるというようなことから出てきたのかなと。だから活力を生み出す税制とは直接関係ないのではないか。最高税率をこの間下げたばかりですから、また下げるのかというような誤解を与えてもいけないので、ここは個人所得課税の累進構造の緩和ということでいいのではないかというふうに思います。
  地価税ですが、これは非常に問題がある税制であって、私ももう要らないと思うんですが、廃止までしなくていいのではないか。これは将来起こってほしくないんですが、もしバブルみたいなことが起こって、そのときの伝家の宝刀といいますか。使わない前提で床の間に飾っておいても、別に罰は当たらないのではないか。やはり廃止でなくて永久凍結といいますか、その方がいいのではないかと思います。
  私は意外だったんですが、相続税のところで累進、税率の緩和とか、平凡なことが書いてありますが、私の認識では日本の相続税はそんなにめちゃめちゃに高いとは思わない。地方の人はほとんど払っていないわけですから。
  何が問題かと言うと、この相続税はまさにこれは東京を中心にした大都会の問題なんですね。ですから、やはり東京都税調であるならば、やはりそこら辺の問題点がやはりあるんだろう。特に私が気にしておりますのは、まじめに商売をやっていて事業の継承ができないという問題がずっとありました。いろいろと緩和されてきたんですが、果たしてその問題はもうこれで解決しているのかどうなのか。まだ是正すべき余地があるのではないかというようなことを思っているんです。そういう問題点がなければいいんですが、もしあれば、最終答申ではそこら辺の対応をきちんと書いたほうがいいです。
  外形標準課税ですが、これは小委員会の議論も踏まえた記述でこのとおりだと思います。ただ、これだけでは都民・国民に対する説明にはならないと思うんです。ですから、ぜひ最終答申に向けてはやはりきちんと説明すべきです。今は銀行対象にこれからやろうとしているわけでありますが、突然全業種を対象にやるのが望ましいと書いてあったので、まず東京都がどういう考え方で銀行対象にやったのかということから始めて、その前提に立って、今後はこういうふうに全業種を対象にやるべきだ。また過渡的な措置としてはこういうことも考えられる。心得ていらっしゃるとは思いますけれども、最終答申ではきちんとわかるように説明する必要があると思います。
  それからもう1つ。軽油引取税ですが、これは本当に軽油の特殊性からいって各国も本当に税務当局の追いかけっこといいますか、これがありましてなかなか決め手がないわけです。そういう中で地方税としての蔵出課税化という方向を打ち出しているということで、1つの選択肢として私も尊重はいたします。ただ、これで本当に解決するだろうか。むしろこれによって、税金のかからない灯油や重油がバーッとまちに出て、それが混合されてということで、脱税を助長するという恐れはないだろうかという心配、問題点があると思うんですね。それに対して本当に対応できるのか。その裏づけをもって蔵出税化というのを言いませんと、非常に問題があるのではないか。そこら辺をぜひご議論をいただきたい。
  以上でございます。
金子委員
  私も何点かあるんですが、まず27ページでございまして、先ほど会長におまとめいただいたので、国から地方への税源の移譲、特に消費税はというところですが、会長のご意見のとおりで私は賛成です。
  もっとわかりやすく表現していただければと思うのは、②のところの個人住民税と地方消費税を中心に行いと、現実的には地方消費税なんですが、ドラスティックに言っていただければ、これは消費税でいいではないか。ただし、外国貨物にかかる消費税は除くというふうに、趣旨的にはそういうことでありますから、むしろそういうふうに大胆に言っていったほうが、言ったからってすぐそうなるとはちっとも思っていませんけれども、今回のこの税調の意味がはっきりしてくるのではないかというふうに、私個人は思うので、ひとつご検討をいただければと思います。
  29ページの個人所得課税の最高税率引下げは、やはり水城委員がおっしゃったように、ここであえて言う時期でもないだろうというふうに思っております。ここで言う時期として、その次に芸術文化に対する寄附金控除のことがございまして、これは大賛成です。それと同時に、NPO法人に対する寄附金というのが、大変大きな問題になるのではないか。地方の時代とか市民の活動とかと言いますけれども、税制がついてこない、つまり財政的な裏づけがないとNPO法人は動けないわけですね。それについての対応が必要ではないかというふうに私は思います。特にイギリスが最近税制改正をして、納税者が指定のNPO法人を申告書に書いて申告をすると、適正なNPO法人の場合に限りますけれども、そこに対して28%の納付税額の還元といいましょうか、還付といいましょうか、そういうことがあるようでありまして、むしろこれは大胆に提言していく必要があるのかなというふうに感じます。
  幾つかあって申しわけありません。31ページの法人事業税の外形標準課税の問題ですが、ここでは一般的にこれも外形標準課税をしようという趣旨でございます。東京都が新たに地方税法の72条の19でしたか、そこを使って銀行に対して5年間に限って課税し、しかも、それは外形標準と言われるようなものを使うということでありますが、これは特例として行われるわけですし、時宜を得たものというふうに、私は、といいましょうか、東京の税理士会は思っているわけですが、しかしそれは一般化するということはいかがなものかというふうに思っております。この外形標準課税を導入しますと、大変な問題が起きるということが私どもの中小企業のデータではっきりしているんです。外形標準の取り方はいろいろとございますから、何を中心にするかということは1つ問題ですが、少なくともこの外形標準と言われるものは、大ざっぱにいうと付加価値ですよね。この付加価値を前提にして税を取るというのは、税の中立性がすごく損なわれるわけです。
  例を1つだけ申し上げますと、皆さん方が旅行をするときに代理店を使うというふうにイメージしていただくと、○○という代理店がたくさんあります。一番大きいのは1万数千人を従業員に抱えておりまして、全国に何十という営業所を持っているんですね。これは外形標準課税しますと、大企業でも営業利益がわずか0.1%出ればいいほうで、出ないときは営業利益が赤字の企業がほとんどです。
  ところが外形標準になる従業員とか、営業所の数とか、営業所の面積と言ったら、これは膨大なんです。そこへ外形標準課税をすると、現実には旅行会社はみんなつぶれますよ。つまり産業政策として、ある産業には非常に重い負担を強いるというような税の中立性を損なう税制というのは、やはり私はやるべきだとは言えないと考えているわけであります。
  今大変な苦労をしている中小企業への配慮も当然しなければいけませんから、どこでどういう配慮をするかはわかりませんけれども、相当な配慮をしないと中小企業政策は滅茶苦茶になるということだと思います。ですから日本商工会議所もこの外形標準課税は絶対反対だというふうに言っているわけで、これはやはりそういうところをどうするかということを無視して、外形標準課税の導入はすべきだと言いきれないのではないかというふうに思っております。
  同様に赤字法人に対する適正な負担というところですが、どのような負担を求めるのが適正なのかはっきりしない限り、今と同じような理由でなかなか難しい面があるな。それを具体的にどう出していこうかということが大きな問題かというふうに思います。
  35ページの消費税の見直しですけれども、今東京都からこういうことを言うことがあえて必要なのか。政府の税調でもやっていることでありますが、やはりこの報告書の7ページでは、景気低迷の最大の原因は個人消費の支出の低迷だという記述がございまして、そこの記述からしますと、消費税の見直しをしていくということを積極的に取り上げるということ。これがやはり少し危惧されるというふうに感じているわけでありますし、特に東京は億の人口を抱えて、消費に依存している部分も非常に多いわけですから、その点のことはもう少し掘り下げて論述しないといけないのかと、こんな感じを持っておりまして、ひとつご検討いただければ幸いです。
神野会長
  わかりました。私の不手際で既に予定の時間が過ぎております。
  ご意見をたくさんいただきまして、大変ありがとうございました。それで、問題点は恐らく1つは、紺谷先生の話ではありませんけれども、歳出面との問題というのはかなり大きくなるわけで、例えば先ほどの外形標準などの景気に与える影響なども、ヨーロッパなどで景気を回復したところを見て、増税をしても景気がなぜ回復しているかというと、使い道が大きな影響を与えるわけですから、そういった問題にも触れていく必要があるかと思います。
  大きく3つぐらい出された問題があるかと思います。1つは東京都が一体これでどういう政策なり、あるいは財政の立て直しなりをやるのか。東京独自の問題に少し触れないさいという問題があったのではないかと。
  もう1つは、地方はたぶん財政額のほうでも応益原則というのが常識でございますので、国・地方を含めて水平的な公平というか、そちらをあまり少し強調しすぎるのではないかというようなご意見があったというふうに理解をいたしております。
  あとは少し書きぶりの問題で、いろいろと誤解その他を生じるようなことがあったり、あるいは少し言い過ぎではないかというようなことがあるのではないかというようなご指摘だったのではないかと思います。
  中間のまとめは、一応最終報告を今後皆様方に審議していただく上で、ある意味での中間段階でのコンセンサス、方向性みたいなものを了解をしておこうということでございますので、どうしても抽象度が高くなってしまうということは否めないかと思います。そこで、只今頂いたご意見のうち、最終報告で触れるべきことは中間報告のほうに移させていただくということにさせていただければと思います。
  個々の表現、必ずしもこういったことでは一概に言えないのではないかというご意見いただいたところもありますが、これまた賛否両論ないしは両論がある議論もございますので、私預かりで預からさせていただいて、表現を考えて、現在の段階でもしも直すべきような箇所があれば、どういう形体でもってそれを織り込むかということを考えさせていただいて、特にご意見をいただいた方についてはそれぞれ了解を取りながら、一応私預かりで修正をさせていただいて、ほぼ全体の中間のまとめについては、ここでご了解いただけないかと。あとは個々に今、出していただいたご意見を参照しながら、特にご発言いただいた方については、ご了解を取りながら進めさせていただければと思いますが、いかがでございましょうか。
古館特別委員
  質問があるんですが。中間のまとめから答申までに、あとどういう開催の方向になるのだろうかというのが1つあるのと、この4ページに「中間のまとめ」は都民・国民への問いかけとして、広く都民・国民の議に資するということも書いています。こういういわゆるアプローチは、どういうことを今後やられようとしているのか。それとの関連で私ども調査メンバーが、これから熟読して、ここもこういうことがあるというふうに感じた場合に、例えば文書で意見なり修正なりというのを出して、そのことが例えば記録として載せていただけるとか、そういう扱い方というのは検討できるものかどうか。そういうことをお聞きしたかったんです。
神野会長
  はい、わかりました。時間もありませんのでご質問だけ先に全部お伺いしてから。
青木(國)委員
  先ほど来、大変各委員の方からうんちくのあるお話を承ったわけですが、いわゆるこの税調としての東京発信、むしろ東京都だけの問題ではなく、国家・国民、そうしたサイドに立ってのかなり大胆な役割、発想がこの中に盛られていると思いますので、個別的な問題は別として、基本的に私はこれで会長に中間答申を決めていただいて、微調整は今後それぞれのご意見のあった方に意見を聞いてやっていただいて、基本的には私はこの中間答申を賛成したいと考えでございます。
神野会長
  私としてはここで述べられた記録ないしは反対意見があったことは、先ほどのお話ではありませんが、答申とは別に残すことはたぶん事務局のほうでご配慮いただけるだろうと思います。
  次の議題に入るはずなんですけれども、今後の進め方とこの中間のまとめのPRといいましょうか。これを都民あるいは国民に広く訴える方法、その他について少し事務局のほうからご説明いただけますでしょうか。
主税局長
  11月の末の最終答申が、本当の上がりということになるわけでございますけれども、いわばその間の基本的なコンセプトと基本的な方向は、こういうことだということで、公にしていきたいというふうに考えています。
  その公の具体的な手法は、例えばこれをこうするとか、あれを使ってとかで言うことではなくて、一般的にオープンにしていきたい。議会の方にも御報告をさせていただきたいと。あるいは報道関係にもというふうに考えています。ただ先ほど会長からお話がありました、会長預かりで仮に終わるとすれば、そこのところをきちんと踏まえた上で対応させていただきたい。
  最終答申に向けてのいろいろなご議論、ご意見については、これは文書もあるでしょうし、あるいはいろいろな税調のメンバーの方だけではなくて、ほかにもいろいろあると思います。ほかの自治体の意見もあるかもしれない。そういうことも含めて、必要かどうかということの判断も含めて、税制調査会として整理をしていただければありがたいなというふうに思っております。
神野会長
  よろしゅうございますでしょうか。意見についてはよろしいですよね。別な形でもってお残しいただけると思いますので。
内田副会長
  この中間答申のまとめ、小委員会の議を経て、事務局から提示されたわけでございまして、本日の皆さんのご意見を踏まえたとする。これを最終答申11月に向けてという日程の問題もあるわけですが、全体として1つ、今なぜ都税調なのか。
  石原知事がこのいわゆる税制調査会をつくって、このように諮問をしてと。そういう意味合いを考えると、やはり国の税調と違う地方税調として、なおかつやはり根底にあるのは、いわゆる地方分権だというふうに思っているんですね。その地方分権を今までは国が政策官庁で地方自治体が事業体だと。いわば地方自治体というのは、あまりそういう政策的なことを含めて考えることをしなくても、いわゆる事務事業、そういうものを実行していく団体であるというところに位置づけられていたけれども、やはり50有余年のこういう地方自治の実践の中で、それぞれの地方自治体が自立をし、そういう地域住民のためにどういう行政サービスをしていくかということで、この分権の波っていうのはどんどん起こってきたわけです。
  そういう中で分権をする、そういういわゆる財政の裏打ちとか、税源とか、そういう問題がいわゆる今までの国と地方の財源構成でいいのだろうか。やはり今日的な新たな地方税の確立があっていいのではないかということを強く訴えるのが、僕は都税調だというふうに思っているんですね。
  先ほど来、そういう意見も皆さんから個々ありましたから、そういうことを主体としてやってもらいたいし、1章で書いてあるのは、全国の地方自治体の事情、国との関係。地方自治体3,300あるけれども、つくったときはそんなふうに地方自治を想像していない世界というのは、やはり都市型と農村型に分かれた。都市型の中でも大都市自治、大都市運営、東京都政みたいなこういう地方自治体が、やはりいろいろな意味で特異な地域のありようがあって、そこに住み働く人たちにいろいろな事情がある。そういう中で、税に対する非常に厳しい高負担を感じている。これをやはりどういうふうに皆様、ほかの自治体にもわかっていただいて、そこをどういうふうに訴えていくか。そういうことがきちんと全編に盛り込まれたような形でやっていただきたい。
  我々は議会で特別委員ですから、小委員会のほうは参加しないで、委員の皆さんにお任せして今日こういう中間答申をいただいた。議会側としては、その常設の委員会もありますし、なおかつ全議員が参加している税制議連というのがありますから、そこでこの中間答申を十分検討させていただいて、最終答申に向けてご意見も言わせていただく機会をつくろうかと思っているわけです。
  いわゆるこの税制組織としては、どういう訴えられ方をするかわかりませんけれども、そういうものが訴えられるように、委員の皆さん、また都民の皆さんを含めて受けとめて、運営上は最終答申に向けてやはりきちんとした形、手段を踏んでいただきたい。このことだけを言わせていただいきたいと思います。よろしくお願いします。
神野会長
  どうもありがとうございました。議会への配慮、その他を含めて対応させていただきたいというふうに思います。どうもありがとうございました。
  そういたしますと、ほぼこの「中間のまとめ」という案でご了解をいただいたということで、本日は締めくくらせていただいて、きょう皆様からいただいた案につきまして、なにぶんタイムプレッシャーの中で作業を進めなければいけませんので、最終報告に回す場合もございますけれども、何らかの形で対応をさせていただく場合には、形式その他含めて、私のほうで検討させていただいた上で、事務局のほうから適宜委員の皆様にお諮りの上、最終的にご了解いただくというような形をとりたいというふうに思っております。
  それで今後の予定でございますが、来月初めまでに、また適宜小委員会を開催していただいて、きょうの議論と中間のまとめを踏まえた上で、最終答申の原案を作成していきたいというふうに思っております。その上で、できれば予定どおりに最終報告を決定して、知事に答申をさせていただきたいというふうに考えております。
  今後の調査会あるいは小委員会の日程、その他について、事務局から別途連絡をいたすことになるかと思いますけれども、事務局のほうで特に何か今後の日程について、現在委員の皆様方にお伝えしておくようなことはございますでしょうか。別途連絡でよろしいですか。
主税局長
  別途ご連絡申し上げます。きょうのところは特にございません。
神野会長
  それでは私の不手際で予定の時間を大幅にオーバーいたしまして、お忙しい中をご参集いただいた皆様方に、大変ご迷惑をおかけしたことをおわび申し上げます。ご協力ありがとうございました。それでは、これにて散会させていただきます。どうもありがとうございました。
(閉会)

(本議事録は、調査会開催後、速やかな公表に努め、限られた時間内にとりまとめるため、事務局である東京都主税局において作成した資料です。内容には正確を期していますが、事後の修正の可能性があることをご承知置きください。)