このページの本文へ移動
Menu

第4回東京都税制調査会議事録

平成12年11月29日14:00~16:00
都庁第1本庁舎33階特別会議室S6

神野会長
本日はお忙しい中をお集まりいただきましてありがとうございます。
  ただいまから第4回東京都税制調査会を開催いたしたいと存じます。前回に引き続きまして気管支炎になりまして、少しお聞き苦しいかと思います。医者に診ていただいたところ、どうもたばこを吸った人の気管支と同じような状態になっているそうです。理由は2つ考えられて、1つはこれまで繰り返し気がつかないうちに気管支炎を患っていた可能性があること、もう1つは排気ガスの汚染ということでございますので、私事ではございますがきょうの審議に関係があるのかなと思います。
  前回の調査会では、答申の案につきまして皆様方からご審議をいただきました。その場で建設的で有益なご意見が数多く出されましたので、今回はそれに基づいた修正を行いまして、その修正案についてご審議をいただきたいと思っております。また、そのほかの点につきましてもご意見があればお伺いしたいと考えております。その上で、あすの調査会におきまして最終答申をとりまとめて決定したいと考えております。したがいまして本日のご審議で大枠にかかわるような修正点につきましてご承認をいただいて、その上であすの最終答申に向けて微調整を行いたいと考えております。よろしくお願いいたします。
  また、本日はご都合によりまして途中で退席される委員もいらっしゃいますので、その点をあらかじめご了承いただければと思います。
  本日の審議につきましては、前回同様途中経過でございますので、調査会運営要領の第2、第5によりまして議事を非公開とさせていただきたいと思います。ルールは前回どおりでございます。この点についてご異議がなければ、ご了承いただいたということにさせていただきたいと思います。よろしゅうございましょうか。
(「異議なし」との声あり)
神野会長
  ありがとうございます。それではこれ以降の議事を非公開とさせていただきますので、大変申しわけありませんがプレスの方はご退席いただければと思います。
  それでは早速でございますけれども、お手元に配布資料があるかと思います。これにつきまして事務局から説明していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
事務局(税制部長)
  税制部長の鮎澤でございます。よろしくお願いいたします。前回の調査会でお示しされました答申(案)につきましては、各委員からさまざまなご意見をいただいたところでございます。24日の会議の後に、文書で意見を寄せられた方もございます。そうしたご意見につきまして、関係の委員の先生方と協議をして、また会長とも相談させていただきまして、配布してございます案が整理をさせていただいたものでございます。その案につきまして説明させていただきます。
  恐れ入りますが、お手元の「答申」に関する付記事項等という資料をごらんいただきたいと存じます。この資料は各委員からいただいたご意見を1の付記事項と、1枚めくっていただきまして2の変更事項に分けて、それぞれ答申本文の記載順に整理したものでございます。
  まず、1の付記事項から説明させていただきます。最初の項目は、答申の1ページの(はじめに)に対応するものでございます。財政赤字に対する認識についてのご意見でございます。これを付記させていただくというものでございます。
  次の項目は、本文の36ページの税源移譲としての消費税に関するものでございます。消費税を移譲税源とすることにつきまして基本的に賛成するとの立場から、輸入取引に係るもの以外の消費税をすべて地方税化するなど、ドラスティックな改革を進めるべきであるとのご意見を付記させていただきます。
  次が、49ページの個人所得課税の最高税率に関するものでございます。本文では個人所得課税の最高税率を現行の50%から45%程度に引き下げることが適当であるとしておりますが、これについて現下の地方財政の状況に鑑み、言及することは適当でないとするご意見でございます。
  次の4番目は寄附金控除の関係でございまして、障害者福祉事業を支援する観点から、社会福祉法人としての認可基準を満たさない団体に対する寄附金についても社会福祉法人に対する寄附金と同様の取扱いとするなど、税制上の措置を検討すべきであるというご意見を付記させていただきます。
  5番目は、52ページの法人事業税の外形標準課税に対するご意見を付記させていだたいたものでございます。中小企業の税負担の増加や税の中立性、景気への影響を考慮すると導入すべきではないとするものでございます。
  6番目は、57ページの人的控除の見直しによる負担の分任という項目に対応するものでございます。個人所得課税の課税最低限に関するご意見でございますが、課税最低限の引き下げについては低所得者の税負担が高くなることから実施するべきではないという内容を付記させていただきます。
  次が58ページでございます。58ページに消費税の免税事業者に係る免税点及び簡易課税制度の適用事業者の要件である課税売上高の基準については、事業者の実態を考慮すれば引き下げるべきではないというご意見を付記させていただきたいと存じます。
  次は63ページの収益還元法に関するものでございますが、土地偏重から建物の使用価値重視への転換を目指す観点から、固定資産税評価に収益還元法を導入していくことに当たっては、土地・建物を一体のものとして評価する方法を選択できるようにすべきであるとのご意見を付記させていただきたいと存じます。
  同じく63ページでございますが、地域の活性化等の観点から、税制を活用して事業を誘導し、税源を涵養していくような施策をより重視していくべきであるとのご意見を付記させていただきたいと存じます。
  続きまして64ページでございますが、特別土地保有税及び地価税の廃止の関係につきましては、廃止ではなく「凍結」とすべきであるとのご意見でございました。付記事項とさせていただきます。
  最後に1番下の項目ですが、68ページの法定外税に関するものでございます。大型ディーゼル車高速道路利用税についてのご意見でございます。ロード・プライシングとしての課税趣旨が明確になるよう、深夜割引など、時間帯に応じたきめ細かな税率設定を検討すべきであるとのご意見を付記させていただきます。
  次に、2枚目及び3枚目の変更事項をごらんいただきたいと存じます。これは答申本文の修正を行うものあるいは挿入を行ったものについて、左側に変更前、右側に変更後の記述内容を対比してお示ししたものでございます。なお、答申本文の該当ページには変更後の文案に下線を施しておりますので、あわせてご参照いただきたいと存じます。
  まず1番目の、本文11ページの関連でございます。11ページの上のほうにございますが、下線でお示しした文章を挿入したものでございます。読まさせていただきますと、「現在、否定的な暗いイメージで語られることが多い高齢化社会であるが、元気な高齢者がいるからこそ高齢化が進むという事実に着目すべきである。定年延長、年齢による雇用差別の撤廃など高齢者が生きがいをもって社会参加する制度を整備していくことにより、将来の労働力不足による国力の衰え  にも対応でき、医療・介護の予防措置にもつながるといえる。年金の支給年齢の引き上げによる年金財政の立て直しも、就労の保障があれば、必ずしも将来の不安要因とはならない。こうした点を踏まえながら」以下続くというところでございます。こういった意見を修正させていただきます。
  次に、16ページの上から8行目でございます。下線の部分を読まさせていただきます。「規制緩和、自由競争の流れの中で、市場メカニズムは効率的である反面、優勝劣敗の厳しさを持ち、所得格差、地域格差は広がる可能性がある。このため、市場メカニズムの効率性から切り捨てられる競争弱者への手当てを行うセーフティ・ネットを構築し、地域で社会保障などの安心を提供する、多機能で効率的な地方政府をつくっていかなければならない。このような、各地域固有の条件、環境を踏まえたよりきめ細かな独自の取組みを行う地方政府の役割が期待されており、中央から地方への権限の委譲が求められている。」という文章を挿入するということでございます。
  続きまして、52ページの一番下でございます。少し前から読まさせていただきますと、「本年11月21日、自治省から外形標準課税の具体案が示されたが、このことは全国の都道府県共通の悲願であった法人事業税収入の安定化にとって、前進が図られたものと評価することができる。しかしながら、銀行業については人件費率などについて特殊な実態があることに加えて、資金運用を本来の業務とし、その調達方法が他の業種と異なるにもかかわらず、支払利子から受取利  子を控除することとしているため、支払利子が算入されず、その税負担が著しく低いものとなる。したがって、銀行業に対する適正な課税や自治体の課税自主権の適切な行使を確保していくためには、地方税法第72条の19の改正の対象から、銀行業を除外すべきである。」というものでございます。
  続きまして、55ページの下から2行目でございます。少し前から読まさせていただきます。「この問題に的確に対処するためには、引き続き混和時点での課税を行うとともに、全国の自治体が連携し、不正軽油の摘発に万全を期す必要がある。」とするものでございます。
  70ページでございます。2カ所ございまして、ホテル税についての記述でございます。「ホテル税は外国や全国各地から訪れる旅行者等が、通常は、都内のホテル等に宿泊するであろうことに着目したうえで、旅行者等が受ける行政サービス一般に対する応分の負担を求める観点から、諸外国において既に100円程度の「滞在税」等が課税されていることも参考にし、東京の競争力の低下につながらないよう配慮しながら、都内のホテル等宿泊者に対して定額課税を行うものである。なお、税収については、国際都市としての魅力を高めるための施策が広範に存在することに鑑み、原則として、その使途を特定しないことが望ましいと考える。ただし、その一部を、観光客と国際会議等の誘致を目的として活動している団体等に対する交付金として運用するなど、「千客万来の世界都市」を目指す都の観光施策等の推進とからめ、検討されるべきである。」とするものでございます。
  以上、各委員の先生方からお寄せいただいたご意見のうち、付記事項として整理させていただいたもの、及び答申本文の修正または挿入を行ったものの概要を説明させていただきました。このほかにも幾つか貴重なご意見をいただいたものもございますが、それぞれ発言をされた委員の先生方と調整の上で割愛させていただいておりますので、ご了承いただきたいと思います。
  また全体を通じまして、会長とも相談させいていただき文章表現等を改めました部分がございますが、大筋では変わっておりません。時間の都合もございますので、これも省略をさせていただきます。
  以上、事務局から説明でございました。
神野会長
  どうもありがとうございました。今、ご説明いただいたとおりの変更でございますが、このほかに水城委員からなるべく市民にわかりやすい形で図式などを入れたらどうかというご意見がございました。この点については事務局のほうで検討していただいて、わかりやすい図がかけるようであれば、もしかしたら明日には参考資料としてこれにつけさせていただく場合もあり得るということでございます。ほかにもそういう参考関係の資料で、充実するべき点があればつけ加えることがあるということだけご了解いただいてご審議いただければと思います。いかがでございましょうか。
水城委員
  前回の答申原案を各社が非常に大きく報道されて、大変よかったと思います。それで若干感想があるのですが、7兆円を超える税源移譲のところではなくて、むしろ法定外税のところが大きく報道されました。これはなぜかというと、非常にわかりやすいということがひとつあったと思います。そういう意味で、今、会長からお話がありましたように、同時に税源委譲は非常に大事なところでございますので、やはりわかりやすさということも大事です。これから地方分権が進んでいく上で、税源移譲は具体的になかなか複雑なところもございますが、徹底的にわかりやすくアピールして世論の支持を得ていくということは大事だと、この間の報道を見ながら思いました。
  法定外税のところは非常に関心を集めておりますので、気がついたことを申し上げます。68ページの前書きのところでございます。恐らくこれは反対が出るのは当然のことでありますが、何のためにやるのかという理念をはっきり示すことが大事ではないかと思います。そういう意味で68ページの第5章の最初の数行にそこら辺の理念を書いて、こうした観点から検討を行った結果となっているわけです。この最初の数行の一番大事なところを、どういう考え方でどういう理念でやるのだということが、この文章ではいま一つ伝わってこないのかなと思います。この5項目の新税を出しているのですが、ホテル税を除きますとほかの法定外税は地球環境とか生活環境とか、むしろそういうところに着目した考え方だろうと思います。ですからこの最初の「都における政策課題は極めて多様であり」以下の5行の中に、表現はお任せしますが地球環境とか、生活環境とか、健康を守るとか、あるいはまちづくりということに着目しながら、そこのところをもう少し具体的に書くと一層充実するのではないかと思いますのでご検討いただければと思います。それが1点です。
  もう1つは外形課税について申し上げますが、3つばかりのことを言っていると思います。1つは自治省案の評価、第2に銀行業の扱い、第3に72条の19の特例措置の法律的な問題であります。第1点の自治省の評価ですが、東京が銀行課税ということで声を上げたということも非常に大きく影響いたしまして、ようやく中央政府も腰を上げたというところであります。基本的には大変評価すべきことであろうということで、そこははっきり書かれておりますので大変よろしいかと思います。
  2番目に銀行業の扱いについて記述があるわけですが、銀行業の場合は普通の会社と違った経理の仕組みがあります。人件費の問題とかあるいは支払だとか受取利子という点がありますので、なかなか一般の会社と同列には扱いにくいという点があり、税負担が急に軽くなるとか、いろいろな問題が出てくるのだろうと思います。ですからその問題点を指摘されたのは妥当なところだろうと思います。
  私がちょっと首をかしげておりますのは、3番目の72条の19の問題でございます。これは国がなかなか外形課税で動かなかったので、この条文を使って東京都が銀行課税をやったわけであります。それはそれで妥当性があるわけでありますけれども、自治省のいうような全業種を対象にした本格的な外形課税ができましたら、前回も申し上げましたがこの72条の19という例外規定というのは必要なくなるのではないかと思います。
  つまりこれを残しておきますと、今後どういう問題が出てくるかわかりませんけれども、どこかが違うやり方をします。それはそれで課税自主権でいいのかもしれませんが、大企業の場合は全国ネットワークで鎖のようにつながっているわけです。その中でどこかが別のことをやりますと、がたがたとほかにも影響して混乱が起きるというようなことがあり得るわけであります。今は何も本格的な外形課税をやっていませんからそういうことは許されるだろうと思いますけれども、本格的な外形ができた暁にはこういう例外規定というものは必要なくなるのではないかというのが私の意見でございます。
  したがいましてこの銀行の扱いについては、72条の19によってやるのではなくて、これから本格的な外形課税をいろいろ検討されると思いますけれども、そこの過程で問題があるならば別の扱いを決めればいいわけでございます。この規定そのものは、本格的な外形が実現する暁には必要なくなるのではないかと私は考えております。以上です。
神野会長
  どうもありがとうございました。第1番目の問題については、先ほど申しましたようにできるだけわかりやすい形で対応させていただきたいと思っております。税源移譲関係についても、図表などを考慮させていただければと思っております。
  2番目の外形標準課税の件ですが、第1のポイントは全体として評価するということが書かれております。多分、第2番目の点の書き方が先ほどの水城委員の言葉を使うと、普通の方には少しわかりにくいのかなと思います。簡単に言うと、普通の会社の付加価値は商品を仕入れて売った差額ですから、商品の売上から仕入れを引くのが大体付加価値になるわけです。ところが銀行の場合には銀行という金融の商品を扱いますので、金融の売上というのは受け取った利息であり、仕入れというのは預金利子ですから支払利息であります。受取利子から支払利子を引くのが、多分銀行の付加価値の計算をする理屈だろうと思います。
  ところが自治省の案では逆になっているわけです。預金利子のほうから受取利子を引く、つまり貸出金利から預金金利を引くならわかるのですけれども、預金金利から貸出金利を引くということになってしまっています。東京都の銀行課税のご相談を受けたときに、いずれ外形標準課税が導入されたときにも、銀行業についてはこのままで行けるのだと説明しました。というのはイタリアの生産活動税というのがそういうふうになっておりまして、他の一般業種は売り上げから仕入れを引きなさいということなのです。もちろんそれから減価償却費も引くわけですけれども、銀行については受取利子から支払利子を引きなさいということになっています。つい最近、所得型付加価値税を導入したイタリアの例を参考にしながら、東京都は銀行業の外形標準課税を設定して、国が導入したときでも考え方は付加価値にかけるのだから変更しないで済むだろうと思っていたところがそうではないのが出てきてしまったので、こういう書き方になっているわけだと思います。ここは普通の人には少しわかりにくいかなというのが私の印象です。
  その関係があるので、多分3番目の外形標準課税ということについて、課税自主権の余地を残してもらえないかというのが、多分事務局といいますかここでの方針だろう思います。
主税局長
  そういうことなのです。72条の19は、新しい自治省案が成立した後も条文として残ります。ただ、ここはごちゃごちゃしてわかりにくい言い方なのですけれども、事業規模額による外形標準課税が実施される法人については、その実施以降は本特例の適用対象外となるように本条を改正するということなのです。これはどういうことかといいますと、法律でこの業態については外形をやるよと決めたものは、もう地方はできません。そういうふうに条例を改正するということです。ですから仮に法律で救っていない重箱の隅のほうに残ったような業態があるとすれば、それは72条の19が働く余地が残るということであります。
  問題は水城委員がおっしゃったように、自治省案は通るという保証はないわけでございます。むしろ環境としては非常によろしくないと思っていますけれども、仮に法律案が通った場合は東京都の銀行課税は2年しかできません。2年後は、自治省の考えている外形案が出てくるということです。もし仮に国の外形案が東京都の銀行に対する外形標準課税と同様に、きちんと外形課税という名にふさわしい、しかも銀行だけを特別扱いする著しく低い税負担となるようなことのない法律案が出てくれば、別に72条の19から銀行を外せなどということを決して言うつもりはありません。
  ただこのまま行くと、新たな不公平が生まれます。それは甚だよろしくありません。銀行は業態が全く違うわけです。その違う業態をほかの業態と全く同じ基準で課税をすることにより、結果として新たな不公平を生みます。銀行が一番それが著しいわけです。自治省案は共通の悲願でありますからできるだけ傷つけないでやるとすれば、銀行については国の考え方の対象から外せば、先ほど会長がおっしゃいました付加価値税で課税させてもらうことが一番適正な課税ができるという考えで、これでやるなら改正案の72条の19から外せという言い方になっています。よろしくお願いします。
大木田特別委員
  私のほうから法定外税に関連しまして、昼間の流入人口等への課税のことに関して意見を申し上げたいと思います。1つは、300万を超える方が周辺から東京に来ているわけでございますけれども、その状況を考えてみたときに都内で住宅を持ちたいけれどもなかなかいろいろな事情で持てないので来ているということもあります。それから首都機能の移転という問題で、6都県の皆さんには一致して反対をしていただくということにもなっております。東京で働いて帰るわけですけれども、例えば先日、丸の内警察署の副署長をやっていた方と話をしたときに、丸の内警察署管内では居住権を持って住んでいる人は5所帯7人で、昼間の人口は40万人を超えておりますということです。住んでいる人は少ないわけですけれども、昼間の人口は働きに来たりいろいろなことで来ているわけです。それで生産活動をやって、その本社から税は徴収されてくるわけであります。確かに、東京都の行政のさまざまな分野のものを利用されているという面はあります。昼間の都民という発想でこれを法定外税という形で取り組んでいくということは、いろいろな意味を含めてこれからの場合は東京というより首都圏、あるいは東京圏という広がりを持った対応でやっていかなければいけないというようなことを考慮しますと、この文章のところの引き続き検討を行うこととするとありますが、こういう問題提起もあったという程度にここの部分はとどめておいたほうがいいと私は思います。検討ですからすぐやるということではありませんけれども、東京の周辺の協力をいただく意味を含めて、こういう問題提起程度でここはとどめておいたらどうかなという意見であります。
  それからもう1つですけれども、明日答申がまとまりますと知事のほうに出されるわけであります。答申が出された後の具体的な展開、例えば政府税調や国のほうに対する都税調のこういう答申が、どのような形を通して手続き上はどうなるのかという問題です。あるいは先ほど水城委員からも話がありましたけれども、ここで提起された法定外税の問題が大変マスコミでクーロズアップされ、すぐにも実行されるような一部報道もありました。今度は議会との関係も生じてくるわけでありますけれども、ここで答申された内容が具体的な段階になるときにはどういうような形をとっていくのかという、今後の答申後の状況についても伺っておきたいと思います。以上の2点でございますけれども、よろしくお願いします。
神野委員
  ありがとうございます。今のご意見で、先ほどの水城意見の2番目のご指摘のことを忘れておりました。68ページから始まる法定外税のところについては、関心も高いところでございますので、上から4行目あたりの大都市東京にふさわしい税というところを少し理念を書き込むかどうかということであります。つまり全体の4つの新税をまとめると、国際都市東京の生活環境みたいなものを良くしていくのだということだと思いますので、そこら辺の理念を少し入れるかどうか考慮させていただきます。
  それから今のご指摘もごもっともなところもございますので、昼間流入人口税の書きぶりやその他についても少し検討させていただきたいと考えております。
  実行可能性などについては、あくまでもまだ技術的につぶさなければならない問題などもあるわけです。私ども税制調査会のほうとしては、できるだけ検討したけれどもつぶし切れないところは今後行政の段階でプランしていただくなり、議会でのご審議にゆだねざるを得ないところはあるわけで、その点は申し上げているわけです。報道などが先走りして、すぐに4月1日から実現可能であるかのごとく報道しておりますが、まだまだつぶしておかなければならない問題があります。今後の時期その他について、誤解を招かないような書き方に修文する必要があれば直していきたいと考えております。事務局のほうから今のご意見について、何かコメントがございますか。
主税局長
  最後の話ですが、明日予定どおり答申を上げていただければ、その先はまず第1番目に知事の政策判断であります。そういう意味では、答申をいただいた段階では全く白紙だということです。それから当然、政策判断の後に議会の審議があるわけでございますから、それが最重要ポイントになります。同時に並行的に法定外は自治省との協議が必要ですので、昼間のものを別にして4つありますけれども、それぞれ法定外として創設するためには自治省とのやりとりについて物によっては幾つかの壁があります。そういうことも含めて税調では考え方だけを出していただいて、その先は知事、議会、自治省、あるいは都民の世論も含めた意思決定がこの後にあり得ると思っています。
神野会長
  今のはそういうことで、修文その他を含めて少し考えさせていただきたいと思います。
古館特別委員
  今回、都税調の審議員をさせていただきまして、少し時間をいただいて意見をのべさせてもらいたいと思います。この都税調の審議員をさせていただいて、軌道から外れないようにということを絶えず念頭に置いてきました。それが答申(案)に書かれている都税調の役割の最初の記述です。ここでは国・地方の税財政のあり方について率直に問題提起すること、なぜなら税財政の問題は都民・国民の生活に直結し大きな問題であるからですと指摘をされております。その問題提起の最初の出発点が、これまでの国・都の財政運営の結果としての645兆円というGDPを上回る債務残高を、国・地方でつくるに至ったということです。そしてその原因が、バブル崩壊後に税収が伸び悩む中、景気対策として公共投資を拡大して減税を行い、さらにまた日米構造協議によって10年間で630兆円という公共投資基本計画が策定され、莫大な公共事業費が費やされたこと、そしてこの645兆円の財政赤字は極めて重いとも述べております。このように答申(案)が指摘する今日の国・地方の財政危機、財政難が過度の公共投資と減税にあるとしたこれらの指摘については、私どもの認識と共通するところがございます。
  東京都が今日財政危機を理由に、主として福祉や医療などの都民生活への切り込みを進められておりますけれども、7兆6,242億円もの都債残高が今年度に達することになった大きな要因は、税収が落ち込んだ中で基金の取り崩しとか莫大な借金で箱物といわれる大型開発、臨海開発、幹線道路建設などをどんどん進めてきたことにあることは明らかです。答申(案)は東京都を初めとする地方団体が、将来の負担を考えることなく景気対策、雇用対策として、起債による公共事業をやみくもに実施していくような制度運営を続けていくことは、地方財政の破綻を招くばかりであると指摘していることを重く受けとめなければなりません。
  ところが、第1章の2からは、突如として基盤整備の推進がうたわれています。首都東京がリーディング・シティとしてアジアや世界を主導し、東京圏メガロポリスの中心として日本を牽引するとして、交通基盤や情報基盤などの社会インフラ整備の遅れが東京の都市としての魅力を低下させているという認識を示した上で、こうした基盤整備に重点的投資を行っていくことを宣言しています。
  都税調の主たる仕事は、歳入をいかに確保していくかという、いわば入りの問題の方向性を出すことだと私は理解しています。まだ最終決定にもなっていない「東京構想2000」の中間まとめの段階での検討部分をこの都税調の答申に盛り込み、大型の公共事業という歳出の計画が先行して打ち出されてきていることに、前段の分析に対する落差の大きさに驚くとともに、都税調としての領域を超えたものだと判断をしております。
  さらに答申案の第6章は、審議会の審議過程で盛り込まれたもので、事務当局もご苦労なさったことは十分に認識しておりますが、財政再建推進プランなど行財政全般にわたって論じており、いささか都税調の税財政に関する答申という役割を超えるものではないかと考えております。これらにつきましては、既に文書で削除を表明させていただいているところです。
  私は税制の問題を考える場合に、大前提として押さえなければならないことが現憲法との関係だと考えます。現憲法は神野会長からもお話がありましたように、税制の基本は応能負担原則にあることだと理解しています。ところが都税と税制調査会答申(案)は、応益性を重視した地方税を答申(案)全体に徹底させ、広く薄く負担、世代間の公平の名のもとで、大企業や高額所得者への減税を一層進め、その一方で都民とりわけ中小零細企業、低所得者への増税を求めるものとなっているように思います。
  応能負担の原則を貫くことは税制に限らず、社会保険料負担でも21世紀にしっかり引き継ぐべきものだと確信しています。私は答申全体を貫くものとして、現憲法とのかかわりで税制の基本が応能負担が原則であることを明確にしていただくことを改めて要望しておきます。
  国からの税源移譲については所得税の住民税への振りかえを基本として、消費税の一部を地方消費税に振りかえるという案はとらないことも意見として述べました。消費税については、政府税調が国の基幹税制にするとしてさらなる増税を示唆するなど、地方税ばかりか国税でも応益負担への傾斜を強めていることに、大いなる危惧を持っております。言うまでもなく所得の低い人ほど税負担率が高くなる弱い者いじめの消費税は、今もそして将来も増税はだめだということを、意見として述べさせていただきます。税源委譲については、所得税の住民税への振りかえの公式を基本とすることを改めて主張しておきます。この提案こそ、全国の自治体との共同歩調がとれる条件を広げるものと確信しております。
  なお、消費税の見直し等で、消費税について免税事業者に係る免税点を現行の3分の1程度に引き下げ、簡易課税制度の適用事業者の要件である課税売上高の基準を2分の1程度に引き下げるという提案は、中小零歳業者の営業存廃にもかかわるものであり、都税調として提案すべきではないと考えています。全国規模の法人事業税への外形標準課税の導入につきましては、赤字の中小企業にも課税するものとして、東京商工会議所、東京税理士政治連盟を初め、同税の導入に反対する団体は多数に上っております。答申(案)が、応益課税としての事業税の性格の明確化や負担の適正化のためにもその導入を図るべきであるとし、自治省が11月21日に明らかにした外形標準課税の具体案について前進が図られたなどと評価していることを、私は認めることはできません。先ほど私は応能負担の原則こそ堅持されるべきと述べましたが、この数年都の財政難の追い打ちをかけたのが法人関係二税の減税です。この減税による税収減は1,700億円に上っており、都税調はむしろ税率を減税前に戻すことや、法人事業税については超過課税いっぱいまでの税率引き上げこそ提言すべきと私は考えております。
  個人所得課税の最高税率引き下げについては、高額所得者を優遇することとなります。その一方で所得税、個人住民税の課税最低限の引き下げをすることは、税率の引き下げがない限り増税となるだけではなく、それまでも課税されなかった低所得者に税金がかかるようになります。生活費非課税の立場からも課税最低限の引き下げは盛り込まないこと、さらに固定資産税について高い商業地を引き下げるのは当然ですが、小規模住宅、一般住宅用地の引き上げの方向を検討していることは再検討していただきたいと思います。
  最後に法定外税についてですが、答申(案)では大型ディーゼル車高速道路利用税、産業廃棄物税など環境問題に着目したもの、パチンコ税などの省資源化、ホテル税の行政サービスへの応分の負担、財政需要に着目した昼間人口等への課税が提案されています。環境税についての基本姿勢は、私は大気汚染などの主要な原因となっている大企業などの製造元の責任と、生活の必要からエネルギーを消費する国民・都民とを混同させない対応が必要だと思います。
  その点でいいますと、大企業などの原因発生者がまず負担をするべきものではないかと考えます。都税調としても、そうしたはっきりしたアプローチを提起する必要があるのではないでしょうか。産業界はこれまで公害規制の問題でも家電リサイクル法の制定などでも、コストアップになるとして反対してまいりましたが、ディーゼル排ガス規制でも同じことが言えます。しかし、産業界とともに環境税導入にこれまで反対していた通産省が、最近方向転換を行っております。私的諮問機関ではありますけれども、ことし7月10日に地球温暖化問題を踏まえた今後のエネルギー環境関連税制のあり方について、検討するように求めたということも聞いております。全日本トラック協会の幹部も、大変な影響を受けるということです。主要高速から首都高に連携する関係部の声として、一般道に大型車がおりてくるのではないかとかあります。産業廃棄物への課税にしても不法投棄がふえるのでなはいか、昼間流入人口課税にしても二重課税ではないか、埼玉県副知事の困惑の報道記事も目にしております。こうした推移を踏まえ、これら法定外税については昼間人口等への課税と同様、全体としてさらに論議を深めていき、大いに研究や検討が必要であると判断しております。以上で私の意見を終わります。
神野会長
  どうもありがとうございました。最初にご指摘いただいた地方及び国の財政を悪化させている認識というのは、この税調の認識と同じだというお話であったわけです。税調の認識で、地方財政を非常に大きく悪化させている原因というのは、確かにそういう公共投資関係にあるわけです。しかし地方公共団体の自主的な決定に基づいたものではなくて、国の政策決定によって決められてしまっているという認識が非常に強く出ているというのが私の理解です。国が本来担うべき景気政策を、地方公共団体がやらざるを得ないということになってしまっているのです。ですから地方財政に自己決定権を与えてほしい、自己決定権をもらわないと自己責任のとりようがありませんよということがトーンになっているのだと思うのです。
  それを受けた上で、税調のほうは確かに今のお話で歳出面に踏み込むべきではなくて、地方税と申しますか歳入面だけを議論すればいいというお話ですけれども、私どもが歳出面について何か価値観を持って言っているというわけではなくて、税をやる場合にどういう公共サービスが出ていくのかということについては、どうしても前提にせざるを得ないわけです。これは確かに税調が決めるわけではないので、都の政策を前提にして考えていかざるを得ないと思います。
  ご指摘のように国や地方を通じて財政を悪化させているのは、確かに公共投資ですけれども、むだな公共投資もあれば必要な公共投資もあり、きょうはいらっしゃっておりませんけれども公共投資を削るのはけしからんという女性の委員の方がいらっしゃいます。そういう意味では中立的に書くと両論相打つということになるわけですが、ここで書いているのは都の政策をある程度前提にした上で私どもは書き込んでおりますので、こういう政策を都が打ち出されるのであれば、税はこんなふうに組むべきではないでしょうかという提案だとご理解をいただければと思います。
  それから法定外税ですけれども、これも発生源を押さえるという点ではPPPの原則に基づくような形で、他の案に比べるとかなり発生源で課税しようという姿勢は貫かれているのではないかと思います。これは東京の特殊性かもしれませんが出すほうで、例えば三重県のように産業廃棄物をもらって埋め立てるところではないわけです。できるだけ他の地域社会にも迷惑をかけないように、東京都では産業廃棄物を出さないように、出す段階で課税をしていこうという姿勢で書いているつもりでございます。この点はご趣旨にそれほど反しないのではないかと思います。そういう意味では出す企業もそうですけれども、生活の面でも環境に悪いものは出さないように気をつける時代になっていると思います。
  北欧の教科書などではエコノミー、経済という言葉は、節約するという意味です。これはもともとは家計を切り盛りするという意味だけれども、家計をうまく切り盛りをする人間というのは地球環境もうまく切り盛りをするという意味ですから、一人ひとりが無駄がないように気をつけましょうと訴えております。今の環境問題というのは企業ももちろんのこ  と、生活面でもできるだけ環境に悪い行為をなくそうという訴えかけが重要だと思います。生活面でという税は、それほど大きくは打ち出していないと考えております。
  ただ環境税の問題というのは、企業に課税をしたとしても必ず転嫁されますので、負担するのはどうしても生活者になります。それによって生活者も環境に悪いものを購入したり、環境に悪い行為をなくすというところにメリットがあるわけですから、一応排出者に課税しているというような点で貫かれているのではないかと思います。ご意見があれば、ご趣旨を踏んだような形で修文すべきところがあれば反映させていただくか、必要なところがありましたら付記事項の中に今のお話のうちの幾つかを取り入れさせていただいて、あすにでもお話ししたいと思います。何か事務局からございますか。
主税局長
  今の感じですとなかなか修文というのは難しそうなので、付記を中心にできるものがあればと思います。
矢部特別委員
  前回出張中のため欠席をいたしまして、大変申しわけございません。それで発言できなかったところもありまして、お教えいただきたいと思います。
  国の大蔵大臣がいろいろ意見を出されたりしている中で、例えば、発泡酒とビールを同じ税率にするということも含めて、結果として増税の話ばかりが世の中に出ています。それと同時期にこれが出ているものですから、東京都もまた新たに増税するのかというイメージで受けとめている多くの都民がいるようでございます。
  東京に住むあるいは生活をするという中で、税もコストの1つだと私は思っています。ですから東京に住む以上、それなりの税はしょうがないという理解をしていただくような範疇でなければいけないということを基本に置いております。全体としては増税であっては困ると思っていますし、この答申の中でも国と地方との税の配分の仕方あるいは政策減税というようなことも盛り込まれておりますので、そういう意味では大変評価をいたしておるところです。
  結果として今より将来を眺めたときに、高齢化社会はどんどん進行していくわけですから、東京都という自治体が負わなければいけない仕事はふえていく方向だとするならば、増税をしていかなければならないという道をたどるということにならざるを得ないと思います。先ほど仕事と一緒のものではないというお話がありましたけれども、これはやらなければいけないあるいはやらなくてもいいのではないかということを言わなければいけないことも、当然のごとく出てくるのではないかと思っております。そういう意味で、東京という大都会に住むということにおいて、税がどのぐらいのウエイトを占めることが可能なのか、あるいは現状が妥当なのか、まだ余裕があるのかというところをいつも自問自答するところでございます。この税調として、どういうスタンスに置かれているのかということをお聞かせいただきたいと思っています。
  それから残念ながら意見という形で申し述べさせていただきまして、付記事項という形にはしていただいていますが、この付記事項がなぜ本文に入れられないのかということです。物理的に時間的なことだけであるならば、明日は答申をお渡しするだけですから、何とかこれを全部盛り込む手だてはないものかと思っております。以上でございます。
神野会長
  まず第1番目のお話でございますけれども、確かにおっしゃるとおりこれから地方公共団体、特に東京都のような大都市がやっていかなければならない公共サービスは増加していくわけです。そのためにどうしても増税基調にならざるを得ないということはあるのかもしれませんけれども、この税調の考え方はできるだけそれを都民が決定できるようにしてもらいたいということです。
  何がむだな公共サービスで、何がむだでない公共サービスなのかということを都民が、言いかえれば都民の代表である都議会が決定できないでいます。それは税があまりにも中央に集まっていて地方に税源がおりてきていないので、地域のニーズを反映してこれが適切な公共サービスであり、これが不必要な公共サービスであるという切り分けができないのです。今後、必要な公共サービスがふえていき、中をリニューアルしなければいけないときに、やはり身近な議会が決定できるということがなければ無理なのではないかということで、全体のトーンとしては増税基調というよりも、できるだけ何が必要で何が不必要なのかということの自主決定権を与えるような方向にしてくださというトーンだと思います。
  たださはさりながら、生活環境とかいうことに対して、国からの税源委譲が進まないのに手をこまねいているわけにもいかないので新しい税を考えますけれども、国と地方の基幹的な重要な税目が動かない限りは、どうしても小さな税目にならざるを得ません。国の財政再建に役立つような大きな税収はとても無理ですから、税をかけることによって少しでも都民の生活なり東京が魅力あるまちになるようなことができないかということで貫かれているというのが、私の理解でございます。それぞれが税収入それ自体を目的とするよりも、それによって少しでも政策目的が達成できるような税になっています。場合によっては、税収が上がらないほうが好ましいという税もあることだと考えております。
  付記事項については、本来本文に盛り込むべきところのものはできるだけ盛り込まさせていただいているのですが、あたかも何か少数意見があったというような書き方ではなくて、きちんと付記という形で全体の流れとはやや違う意見があっても、できるだけ幅広く都民に、強いては国民に公開していこうという趣旨で入れているということだと思います。したがって決して少数意見として書いているのではなくて、付記事項と書いてありますので、この方式でもしご理解いただければご了解いただきたいと思います。取り入れるべきところはできるだけ取り入れて、本文のほうに入れさせていただきます。論旨があいまいになってしまう場合がありますので、論旨を貫くために付記として注意書きにしたほうがいいものについては付記させていただいていると考えております。
水城委員
  この付記事項というのは、本文と同時に発表はされるわけですね。これは割合少数意見が多いと思いますが、私は矢部委員とは逆で、本文に入れてしまいますと埋没するのです。むしろこの扱いのほうがこういう意見があったということがはっきり目立ちわかりやすいので、いいのではないかと私は思います。
  ついでに申し上げますと、先ほど矢部委員がおっしゃったことは大変大事なことであります。大蔵省がやっている発泡酒とかワインの増税は、明らかに税収増を目的としたものなのです。しかしこの答申する法定外税というのは、先ほど何のためにあるかという理念をもっと具体的にはっきり書くべきだと申し上げたのはそのことでありまして、決して税収増をねらったものではありません。これはやっても、税収入の中ではほんの一部だろうと思います。税収に大きく貢献する法定外税ではありません。パチンコなどの関係でいきますと、これをやることによりむしろリユース台というものが普及すればいいわけで、税収が落ちてもそれはそれで目的を達したわけです。決して税収増をねらったものではなく、環境とかそういうことのためにやるのだという位置づけを、もう少し最初の前書きのところにはっきりうたったらいいのではないかという意味で、先ほど申し上げたわけであります。以上です。
小林特別委員
  今、水城委員がおっしゃいましたように、今回の提案というのは1章と2章にも書いてありますけれども、国と地方の役割が随分変わってきたわけです。そうしたときにあるべき地方の形がちゃんとそこで議論されていないと、国がいいとか、都がいいとか、市区町村がいいとかいうふうな、技術的なところに走りがちになるのでなはいかと私は思っております。そういう意味では、個人的にいえば連邦制度で道州制国家というのが私の目指す姿になるわけです。ところが今回のこの文章の中ではそういうふうには書いていなくて、連邦国家でない単一政府の範囲でということが書いてあるわけです。そうすると今の国と地方の形の中で、1章や2章の中でもあるように、地方交付税とか国庫補助金とか現在ある制度をいじっているような感じがしているわけです。
  私が石原さんとつき合っていた範囲でいえば、石原さんの考え方の中では、地方分権一括法の中でも形式的には国と地方が対等で平等な関係になっているわけです。それをより具体的に東京は国に対して唯一物が言える立場ですから、そこは明確に税も含めて地方はどうあるべきなのかということで、私も全部詳細に読んだわけではありませんが、ややもすると現在のいろいろな制度の欠陥を指摘して、結果としてはもっと東京都や地方へということになるのでしょうけれども、明確な形で例えば地方交付税そのものが必要なのかどうかとか、応益応能も含めてあるべき地方政府のようなものが全体を覆っているようには感じられませんでした。そのような感想でございますけれども、申し上げたいと思います。
神野会長
  まず非常に大きな枠組みのことに関しましてはごもっともだと思いますが、連邦制単一国家になってきますと憲法問題その他になってまいりますので、一応国の大きな枠組みの問題もあるということについては付記事項、その他で取り入れられるようであれば取り入れさせていただきます。
  ただ、中身につきましては、税という窓から見ると、国と地方の関係についてはこれまでと違ってかなり突っ込んだ書き方をしているのではないかというのが私の印象でございます。もちろん先生がおっしゃるような非常に大きな枠組みにひっかかることは無理なので、ある一定の制約のもとでということになりますが、理念その他についてはかなり書き込んであるとは思います。なお、あすまでに修正でき得ることがあれば検討はさせていただきいたと思います。
青木(宗)委員
  青木でございます。会長同様、大気汚染にやられておりますので失礼いたします。法定外税について皆様方から報道で非常に注目を浴びているということで、小委員長をやらせていだたいて困惑しております。その点で水城委員からいただいたご意見などについて、2点ほどお話をさせていただきたいと思います。
  頭書きのところで確かに目的をもう少しはっきりしたいということで、私も全面的に大賛成です。できればもっとたくさんの形容詞を連ねて書いて、都民が喜んで納税意欲を高めてもらうような書きぶりをしていただきたいと思います。
  もう1つは、48ページをあけていただきたいのですけれども、法定外税の頭の部分が実は48ページの②を想定して私どもの小委員会では検討したわけです。先ほどからご議論いただいていますような税収目的なのかという点については、かなり明確に48ページの真ん中あたりに本来は法定税でいくべきであり、法定外税というのは税収目的ではなく政策目的を果たすため、もしくは特別な財政需要を賄うための税なのですよとあります。あまり強調してしまいますと、現状のように法定税を自主的に動かせない状況の中で国に対して損をしてしまうことになりますので、その部分で表現的に少し口ごもっているところも確かにございます。
  法定税を動かせればこちらで税収を図る必要は全くなくなるわけですけれども、ご存じのように現状では税率は上げることもできなければ、下げることもできないという状況の中で、最後の切り札を完璧に捨ててしまっていいのかというところで逡巡があるのかなと思っています。
  ですから水城委員のご意見は確かにそのとおりで、何らかの修文なり追加なりをしていただきたいと私も意見を出させていただきます。それと同時に、できるだけ48ページと後ろの法定外税の関係がわかるような記述をぜひお願いしたいと思います。法定外税については48ページに書いてありますよというような書きぶりを少し入れていただければ、都民の方にもわかりやすいのかなと思っております。
  第2点ですけれども、先ほども水城委員のほうからありましたように報道がどうも法定外税で、本来は税源配分の見直しのほうを強調すべきであるということは私も全くそのとおりです。小委員会の審議の中でも、そういうことを申し上げてまいりました。
  それと同時にここでぜひお考えいただきたいのは、24日の報道資料を拝見してびっくりしたのですけれども、私の中で目玉だと思っていた地方環境税について一言もなかったのです。地方環境税と申しますと、日本の中の議論ではまだまだ非常にマイナーで、名前的には注目されますけれども審議ですとか動きは全くありません。ヨーロッパの例を見れば、これは明らかに将来の税制の中核を担いかねない税目であるわけです。この部分について、政府税制調査会は炭素税については国で、地方はもっと細かな地域的な環境汚染についての税をやりなさいとはっきり言っているわけです。それに対して都税調は、炭素税も含めて地方だということで宣戦布告をしているわけです。私はこれに関係する部会も入っておりましたので、その時点でもう少し話を膨らませればよかったかなとも思うのです。いずれにしましてもそれはご検討に委ねるといたしまして、報道ブリーフィングの仕方をぜひこの環境税についても都税調の柱であるというぐらいの位置づけにしていただきたいと思います。私はそういう位置づけであると確信をしておりますので、ぜひご検討をお願いしたいと思っている次第です。以上でございます。
神野会長
  どうもありがとうございました。一応、都民に対するわかりやすさと理念面で、つまりどこがどういうふうに重要なのかということがわかるような書きぶりに、構成などをもう1度考えてみたいと思います。けれども事務局に非人間的労働をこの間ずっと強いてきましたので、あしたまでにどこまで修文できるかわかりませんが事務局と調整した上で、出すからにはわかりやすいほうがいいので、わかりやすさと訴えるポイントが明瞭になるような形で精査させていただくということでお任せいただければと思いますが、よろしいですか。
水城委員
  今のできるだけわかりやすく対外的に公表するという意味で、これはあまり労力のかからない提案でございますので、お聞きいただいてよければ採用していただきたいと思います。このタイトルは「東京都税制調査会答申」ということですが、これだけですとあまりにも味気ないと思います。これを副題にするかメインのタイトルにするかはご判断ですが、やはり中身のタイトルがあったほうがいいのではないかと思います。どれがいいかなと目次をぱらぱら見ているのですが、例えば「地方分権に向けた税財政改革」というのをメインのタイトルにして、「東京都税制調査会答申」にするのか、あるいは「東京都税制調査会答申」をメインにして、今、言いましたものを副題にするのか、それはどちらでもご判断でいいのですが、そういうことをお考えになったほうがよりわかりやすく、何を言いたい答申なのかということがわかりますので、ぜひご検討いただければと思います。
神野会長
  ありがとうございます。分権推進委員会でも副題か本題なのかわかりませんが、答申にテーマをつけたこともありますので、いい表題があるようであれば事務局と検討してみたいと思います。
  ほかはいかがでございますでしょうか。よろしいでしょうか。それではまだ予定の時間から申しますと余裕があるのですけれども、本日いただきましたご意見を参考にしながら事務局と打ち合わせをして、あす皆様にお出しすることになる最終案の調整にかかりたいと思います。今、いただいたご意見のうちの大きな点は、わかりやすさとかポイントを明確にするとかいう問題だろうと思いますので、その点を含めて書きぶりを少し事務局と打ち合わせて、あすには本年度の東京都税制調査会の最終答申をお出ししてご承認いただければと思います。その上で、石原知事にご報告したいと考えております。
  次回と申しましても明日でございますけれども、午前11時から予定をしておりますのでよろしくお願いいたします。事務局のほうで特に連絡事項がなければ、これで打ち切りにさせていただいてよろしいですか。
  それでは本日はお忙しい中をご参集いただきましてありがとうございました。これにて散会させていただきます。
(閉会)

(本議事録は、調査会開催後、速やかな公表に努め、限られた時間内にとりまとめるため、事務局である東京都主税局において作成した資料です。内容には正確を期していますが、事後の修正の可能性があることをご承知置きください。)